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使用済み手帳カバーリサイクルへの取り組み
/石塚株式会社
SDGsやプラスチックの再資源化など循環型社会の実現に向けて、様々なところでリサイクルの取り組みが進んでいます。今回は塩ビ製の使用済み手帳カバーのリサイクルについて、石塚㈱ 代表取締役社長 熊谷弘司氏にお話を伺いました。

石塚株式会社
1955年設立、軟質塩ビ製の透明フィルム販売から事業を開始し、文房具、日用雑貨、産業資材などの販売及び加工を手掛ける。特にビニールカーテンに関わる売上高No.1を獲得するなど、資材用途で販売領域を拡大している。「石塚」という社名は、創業者の実家の近くにある古墳の名前に由来する。いつまでも変わることのない石の塚の様子を見て育った創業者は、自社を未来永劫繁栄させていきたいと思い社名に選んだとのこと。
産業資材分野でのものづくり
石塚㈱は、60年以上にわたりプラスチック製品の製造販売を行う企業です。創業当時はプラスチック製の文房具や日用雑貨の販売を行っていました。現在の事業内容としては、産業資材分野での製品需要が高く、製造業の工場や倉庫で使われるビニールカーテンなどのシート材を主に取り扱っています。そのほかにも、飛沫防止用のビニールパーテーション、小物類の販売も行っており、お客様のニーズに対応しながら時代と共に事業領域を広げています。
「近年では、シートを販売するだけでなく工場向けの間仕切りや床などの施工も手がけています。プラスチック製品を軸として、モノづくりの作業現場の環境改善にワンストップで対応しています」

手帳カバーのリサイクルをスタート
石塚㈱では2024年11月1日より塩ビ製の使用済手帳カバーの再資源化プロジェクトを㈱マークスと開始しました。
手帳をはじめとする文房具の企画開発を行う㈱マークスの直営店で販売されている手帳カバーを対象に、使用済み手帳カバーを売り場で回収し、自社製品に再利用する取り組みです。
「㈱マークスさんが企画・販売されている手帳の一部を当社で製造させていただいていたというお付き合いがあった中で、使用済み手帳カバーのリサイクル企画にお声かけいただきました。当社では以前から一度市場に出回った製品のリサイクルを行いたいという思いはありましたが、協力いただける企業様がなかなか見つからない状態でした。そんな時にプロジェクトのお話をいただいたので、ぜひ一緒にやらせてくださいと前のめりで参加させていただきました」

最初に使用済み手帳カバーのリサイクルを実施したのは2021年でした。
「初回の実施時にはリサイクルプロジェクトがあまり認知されておらず、最初に集まった手帳カバーはほんの少しでした。2024年に開始した分の回収量はこれから結果が出てくるところですが、前回よりも認知が広がり少しでも多く持ち込んでいただけることに期待しています」

プラスチックの価値を正しく知っていただくきっかけに
回収した手帳カバーは使用されている素材ごとに切り分けて選別し、工場で再製品化するためには手間と物流コストがかかります。それでも製品リサイクルに積極的に取り組む理由について伺いました。
「使用済み製品のリサイクルにおいては、ビジネスとして利益を出すことは二の次だと思っています。それよりもプラスチックの価値を正しく知っていただくきっかけにしていきたいと思っています」

「環境問題の様々な課題は単にプラスチックを取り除けばクリアになるとは思えません。私たち消費者がものを使い捨てる習慣が変わらない限り、使い捨てられる素材が変化するだけで、根本的に環境負荷を減らすことはできないと考えています。プラスチックは軽量で輸送にかかる燃料費が抑えられ、リサイクル性やリユース性も高い。化石燃料を使用しているから一律にダメというわけではなくて、素材が持つメリットをどのように最大限活用していくかが重要だと考えています」
熊谷氏は製品企画や最終商品の販売を行う企業と協力しながら、これからも自社製品のリサイクルを進めていきたいと言います。
「理想のプラスチックの生涯設計は、何回かマテリアルリサイクルをした後、最後は燃料としてエネルギーを回収することだと考えています。今後も長期的な目線で、前向きにリサイクルに取り組んでいただける企業様との協業を楽しみにしています」
