2022年04月 No.115 

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PVC Award 2021

テーマは「生活を豊かにする PVC製品」。95点の意欲的な製品が集まる

 2年に一度開催されるPVC Awardが、2021年も開催されました。塩ビ工業・環境協会、日本ビニル工業会、日本ビニール商業連合会、日本プラスチック製品加工組合連合会の共同主催。
 本コンテストは、PVC(塩ビ素材)の加工性、印刷性、耐久性、耐摩耗性、耐腐食性、リサイクル性などの優れた特性を活かすと共に、様々な機能を付与して、生活の利便性向上や、リサイクル・防災・安全など環境や社会に貢献する魅力ある製品の発掘を目指しています。
 今回は、「生活を豊かにする PVC製品」をテーマに、発売から5年以内の製品及び商品化を予定中の製品を対象に募集。応募作品は95点に上りました。
 審査基準は、テーマ性、市場性、機能性、独創性、環境・社会貢献度の5つ。2021年は、準大賞2点のほか、優秀賞から入賞まで12点が受賞しました。

Webと会場それぞれの場所から、PVCの発展と社会貢献への気運を盛り上げる

 PVC Award 2021の表彰式は、年が明けて2022年1月11日に開催。会場には、実行委員会委員長の斉藤恭彦氏(塩ビ工業・環境協会会長)のほか、経済産業省製造産業局革新素材室長森本将史氏、審査員を務めた芝浦工業大学デザイン工学科教授橋田規子氏、日刊工業新聞社論説委員・編集委員山本佳世子氏、受賞した企業の代表者の皆様が出席しました。
 今年は、オミクロン株の感染者数増加のタイミングと重なった表彰式となってしまいました。しかし、手指の消毒と検温の実施のうえ、十分な換気とソーシャルディスタンスの確保、マスク着用を徹底しながら開催。ご協力いただいた皆さまのおかげで、無事開催することができました。
 今回はWebと対面のハイブリット形式での開催となりましたが、受賞者を讃え、PVCの発展と社会貢献への気運を盛り上げる機会となりました。

準大賞2点

プラスチックリサイクルの特徴
作品名: 水中機器用フロートケーブル
受賞者: 株式会社三ッ星 技術開発センター
講 評: 弾力性、耐久性など軟質PVC発泡体の特徴が活かされ、ケーブル保護としての機能がある点が、PVC市場における新たな用途展開として高く評価された。
石油精製プロセスを活用するプラスチックリサイクル
作品名: リハビリ補助用具 Curaria
受賞者: 株式会社ハイビックス
講 評: 空気入ビニル製品の特性を活かした品質設計と、リハビリ補助用具としての機能が評価された。実際に審査員が装着して、筋肉のほぐれを体験できたのも好評だった。

優秀賞3点

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作品名: ランラン RAIN
受賞者: 株式会社丸五 大橋 真人
 
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作品名: 収納式横型多目的シート YU2
受賞者: 株式会社水上 オモイオ事業部
 
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作品名: レンブロック®キャンバス
受賞者: 有限会社ワイピーシー、株式会社照和樹脂

特別賞4点

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マリンフロート防散カバー
 
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建物用耐火性硬質ポリ塩化ビニル管・継手
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後付け逆流対策弁
 
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貯留材・アクアパレス
 

ごあいさつ

経済産業省 製造産業局 革新素材室長
森本 将史

素材産業は、社会課題の解決策を提示できる産業分野

 実用性と社会課題への貢献を考えながら新しいPVC製品を産み出していくことは、企業の皆様にとってハードルの高いことだと思います。
 しかし、今回のPVCアワードは、企業の皆様の挑戦を後押しすることができたのではないでしょうか。
 いま、素材産業の中には、環境問題、地球温暖化問題、リサイクル問題など、多くの課題を抱えています。だからこそ、素材産業はその解決策を提示できる産業分野だと思います。
 これからの1年は、少しでも世の中を良くしていくために、業界一体となってチャレンジしていく時期ではないでしょうか。PVCをはじめ、さまざまな素材が社会課題の解決にしっかり貢献していける可能性があると期待しております。

ご講評

芝浦工業大学 デザイン工学科 教授
橋田 規子

バリエーション豊かな製品が集まり、PVC活用の幅広さを再認識

 今回集まった製品は、本当にバリエーション豊かでした。
 産業分野で活躍する「水中機器用フロートケーブル」や、見えないところで機能する「後付け逆流対策弁」「建物用耐火性硬質ポリ塩化ビニル管・継手」「貯留材・アクアパレス」は、まさに暮らしを支えるPVC製品。
 海洋ごみ対策の「マリンフロート防散カバー」、リハビリを補助する「リハビリ補助用具 Curaria」は、今日の社会課題解決を意識した意欲的な製品です。その他、PVCの特性を活かしたアクティビティ製品も印象的でした。
 コロナ禍を意識した製品も多く応募されました。完成度が今一歩及ばなかったものが多かったですが、磨きをかけて再チャレンジを目指していただきたいと思います。