広報だより
業界の活性化と発信力強化を。
日本インテリア協会が新たにスタート!
2021年7月、インテリアフロアに関する調査・研究・啓発及び普及を目指して活動してきたインテリアフロア工業会と、カーテン、カーペット、壁紙、ブラインドなどインテリアファブリックを扱うメーカーが集まる日本インテリアファブリックス協会が統合し、日本インテリア協会として改めてスタートしました。
今後は、日本インテリア協会内の「プラスチック床材部会」として活動を続けられるインテリアフロア工業会。今回は、統合後まもなくのオフィスにお邪魔し、「プラスチック床材部会」の活動や今後の取り組みについて取材しました。
知見を共有し、インテリア業界全体を盛り上げたい
-はじめに、「プラスチック床材部会」としての活動内容について教えてください。
まず、業界の発展につながる調査研究事業ですね。関心が高まっている環境対策の先進地域はヨーロッパなので、海外の情報も取り入れながら進めています。それ以外にも、JISやISOといった規格の作成・見直しへの意見提出、リサイクルを円滑に進めるための「広域認定」に関する業務を行います。
-インテリアファブリックス協会と統合し、どのようなことを期待されていますか?
団体が大きくなり、発信力が高まることを期待しています。インテリア業界を代表する企業の多くは、ファブリックから壁紙、床材まで幅広い商品を生み出しています。2団体それぞれが蓄積してきた知見にアクセスしやすくなったことで、会員企業にとっても有益な情報提供ができるのではと考えています。インテリア業界の取り組みや見解を内外に発信することで、業界全体を盛り上げていきたいですね。
巣ごもり需要で感じた、床材と暮らしの近しい距離感
-新型コロナウイルス感染症拡大の影響についてはいかがですか?
2020年に引き続き、国際的なインテリアトレンドショーとして続いてきた JAPANTEXの開催はオンラインのみとなりました。ビジネスデーとして定めた6日間は、各ブースの担当者が対応します。多くの方々に参加いただけるよう、準備しているところです。
残念ながら、床材の売上は減少傾向にありますが「抗ウイルス対策製品」の出荷は今後拡大するのではと考えています。オフィスや学校、商業施設への人出が戻ったタイミングで、改めて対策しようという流れが出てくると思います。
意外だったのは、一般ユーザーの需要増です。長い時間を過ごす住まいを快適にしたいという気持ちの高まりから、扱いやすい「クッションフロア」の売上がアップしました。ホームセンター等でも気軽に買えて、お値段も手頃。DIY初心者の方にもぴったりの商品ですね。
業界全体で整っているプラスチック床材のリサイクルシステム
-では、リサイクルに関する取り組みについてお聞かせください。
インテリアフロア工業会時代から、リサイクルには力を入れてきました。そのひとつが、リサイクルシステムです。建物の施工現場では、床材の切れ端や余りが出ます。それらを環境への負担がより少ない「マテリアルリサイクル」で新たな床材へと生まれ変わらせています。プラスチック床材部会ではリサイクル可能商品をリスト化しており、該当商品を回収し、再資源化、製品化します。2003年には「広域再生利用指定」の許可を、2008年には「広域認定」を取得し、市町村を超えた広域的なリサイクルをサポートしています。両団体が統合された現在でも、プラスチック床材部会として事業を継続しております。
人々の暮らしを便利に豊かにする床材を届けるために
-最後に、プラスチック床材部会としての展望をお聞かせください。
プラスチック床材は誕生から100年ほどの間、進化を続けてきました。当初は天然素材の「模倣品」という位置づけだったかもしれませんが、時代の要請に応じ、多様な機能を持つ製品が生まれ、材としての魅力がより高まってきました。わたしたちメーカーは、業界と一緒になってその魅力を高めてきたという思いがあります。これからもわたしたちは、団体間での情報交換を積極的に行い、業界を取り巻く規制や新たに設けられた規格等の情報を読み解き、進むべき方向性を示して業界の役に立てることを望んでおります。