特集 地球環境と塩ビ レポート
室内環境も、地球環境も守る
ニチベイの省エネ商品とSDGsへの取り組み
1941年創業の株式会社ニチベイは、ブラインドと間仕切りの総合メーカー。ブラインドやロールスクリーンなど多彩な窓まわり商品と、多様な間仕切り商品をラインアップし、「3K(環境・健康・高齢化)+2S(省エネ・セーフティ)」を商品開発理念とし、さまざまな商品を市場に提供し続けています。
今回は、サスティナブルな活動を続けるニチベイの生産本部と、同社の省エネ商品に注目。室内外の環境を守る、ニチベイの取り組みを取材しました。
「人と環境の美しい調和」を目指す、生産本部のサスティナブル活動
-生産本部の航空写真を拝見すると、工場に見えないほど緑豊かで驚きました。
そうですね。当社は、SDGs(持続可能な開発目標)や低炭素・脱炭素社会が叫ばれる以前から「人と環境の美しい調和」というテーマを掲げ、生産本部も「公園工場」をコンセプトに設計されました。稼働が始まった1967年から植林を続けた木々が成長し、工場の緑化率は約4割です。
社員も、恵まれた環境で働けているありがたさを理解し、工場内の緑地の手入れや落ち葉の清掃に取り組んでくれています。回収した落ち葉は肥料に変えて再利用するなど、サスティナブルな取り組みにも力を入れています。
-生産工程でのサスティナブルな取り組みはありますか?
当社は、2002年4月からゼロ・エミッション(ゴミ分別)を継続し、リサイクルにつなげています。ゴミの分別は60種類。社内はもちろん、社外でのレクレーションで食べたお弁当の残りや空箱も、その場で分別し持ち帰るなど、職場以外でもゴミの分別やリサイクルが徹底されています。その他、夜間電力の使用や、省エネ設備への入れ替えを実施しています。
-地域の方との交流や、工場案内にも熱心に取り組まれていると伺いました。
中高生の就労体験学習を受け入れたり、工場外周の清掃活動を通して、地域との交流を深めています。また、お取引先や、環境管理活動に関心の高い行政の方に向けた工場案内も行っています。
今は、誰もがSDGsの17の目標達成が求められる時代です。こういった活動は、11の「住み続けられるまちづくりを」や、17の「パートナーシップで目標を達成しよう」につながります。以前からの取り組みが、SDGsと重なっていたことは、心強い思いでしたね。
時代に合わせた省エネ商品で、室内外から過ごしやすい環境づくりを
-続いて、商品についてもお伺いします。近年、どんな機能をもつ商品が人気ですか?
夏の暑さが厳しさを増す中、省エネにもつながる「高遮熱商品」が人気です。たとえば「シルバースクリーン」というロールスクリーンは、塩ビ(PVC)とガラス繊維でできたスクリーンの裏面にアルミ蒸着加工されていて、遮熱性に優れています。
もうひとつご紹介したいのは、表面が塩ビでできている外付けスクリーン「ソヨカ」です。住まいに入る熱の70%は窓からですが、「ソヨカ」を室外につけると、夏場のエアコン電気使用量を約半分にできます※。また、ひさしのように取り付ければ、屋外でも心地よく過ごせます。暮らしを快適にしながら環境保護につながる商品で、自信を持っておすすめできます。
※複層ガラスのみと比較した場合。シミュレーション条件はこちら
http://www.nichi-bei.co.jp/jsp/category/or/soyo
-では最後に、今後どのような商品づくりに取り組みたいですか?
地球環境を守りながら、室内の環境を整えていくことがわたしたちの仕事。商品を生産する上で、今後は、再生可能エネルギー(太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマス)の活用も模索しながら、脱炭素社会を目指していきます。また、環境に優しい素材や更に省エネ性を高める商品開発、「太陽光の角度や強弱に合わせてブラインドを制御するシステムの導入を進め、IoT化が進む建物の窓まわりから、人々の居心地を高めたいです。