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「PVC Award 2023」表彰式と展示会が開催されました
PVC(塩ビ)素材の特長を活かした魅力ある製品を公募し、表彰するコンテスト「PVC Award 2023」が開催されました(塩ビ工業・環境協会、日本ビニル工業会、日本ビニール商業連合会、日本プラスチック製品加工組合連合会の共同主催)。
本コンテストは、PVCの特性を活かしながら、生活の利便性向上やリサイクル、安全・防災などの面で機能を発揮し、社会に貢献する製品の発掘を目指しています。開催テーマは、「生活を豊かにするPVC製品」。2023年7月~9月の応募期間に、発売から5年以内の製品及び商品化を予定中の製品(硬質製品、軟質製品、複合製品の何れも可)を対象に募集しました。その結果、64点の応募がありました。審査基準は、テーマとの整合性、市場性、機能性、独創性、環境・社会貢献度の5つで、大賞には賞金100万円を贈呈。審査の結果、今回は準大賞1点、優秀賞4点、特別賞3点、入賞5点が選ばれました。
ユニークな受賞作品が勢ぞろい、「塩ビを扱う仲間」を讃えあう表彰式
「PVC Award 2023」の表彰式が2024年2月6日に挙行されました。会場には、実行委員会委員長の桒田守氏(塩ビ工業・環境協会会長)のほか、金井伸輔氏(経済産業省製造産業局 素材産業課 革新素材室 室長)、外部審査員の橋田規子氏(芝浦工業大学 デザイン工学部教授)、山本佳世子氏(日刊工業新聞社 論説委員・編集委員)、受賞者の皆様、および、主催団体代表が出席しました。
会場には、合計13点の受賞作品が集結・展示。表彰式では、各作品の特徴、審査会で高く評価された点が紹介され、表彰状と記念品が授与されました。また、準大賞を受賞した積水化学工業㈱の三宅慶昌氏から受賞者代表のごあいさつをいただきました。
「今回のコンテストを通じて、ユニークで多種多様な作品と、共に塩ビを扱う仲間である皆様との出会いがありました。これからも、塩ビ業界全体の健全な発展に貢献したいと思います」(三宅氏)
準大賞
作品名: | 「エスロン大型建物用雨とい 超芯 V-MAX」 |
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受賞者: | 積水化学工業㈱ |
特 徴: | 従来、金属板の折り曲げ加工でしか作れなかった大型建物用の雨といを、オール樹脂製に材料変更し、重量を50%低減。金属加工職人の減少や省力化などの諸課題を解決。 |
講 評: | 昨今の豪雨対策のみならず、軽量化・長寿命化も実現する優れた製品。斬新な発想と、技術的に難しい多層成型に挑戦した点が高く評価された。(特集記事にて紹介) |
優秀賞
作品名: | 「芯が見えるボール hinomarc.(ヒノマール)」 |
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受賞者: | A to KA |
特 徴: | 空気で膨らむ塩ビ製品(空ビ)の特性(透明で強い)を活かし、赤い中心球を配置。日本サッカー協会(JFA)のヘディングに対するガイドラインに沿い、頭部への負担を抑えつつ練習可能。 |
作品名: | 「スリム内副管マンホール継手」 |
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受賞者: | 前澤化成工業株式会社 |
特 徴: | 流路を楕円型にすることで約30%の小型化を達成し、施工性や維持管理性を向上させ、下水道インフラの長寿命化に大きく貢献。 |
作品名: | 「CELL ワインバッグ」 |
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受賞者: | 株式会社河野プラテック |
特 徴: | 空ビの「CELL」が、衝撃吸収と保冷に寄与。汚れても簡単に水洗いでき、繰り返し使える。「どこでも、だれでもワインを一番おいしく」をコンセプトに商品化。 |
作品名: | 「車両水没防止カバー COVO」 |
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受賞者: | 有限会社マルゴオートサービス |
特 徴: | 万が一の洪水の時、車をまるごと包み水に浮かせる製品。実際にプールで検証。 |
特別賞
作品名: | 「機能性装飾義手」 |
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受賞者: | 株式会社佐藤技研 |
特 徴: | 塩ビの高い耐久性・耐薬品性を活かし、長期間の使用に耐えうる装飾用義手。人体に近い適度な表面摩擦力と柔軟性、リアリティを加工技術の最適化により両立させ、利用者の心情に寄り添った製品。 |
作品名: | 「軽トラ積載給水タンク アクアテナー」 |
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受賞者: | 株式会社ナショナルマリンプラスチック |
特 徴: | 軽トラを利用した給水タンク。使用後は製品を折りたたみ、コンパクトに収納できる(耐久年数は10年以上)。能登半島地震でも活躍。 |
作品名: | 「PAPER JACKET flex」 |
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受賞者: | バタフライボード株式会社・竹野株式会社 |
特 徴: | 『マグネット×てこの原理』のクリップをウエ ルダー加工を用いてシームレスに一体化し、『綴じる』と『包む』という2つの機能を両立。2023年グッドデザイン賞を受賞。 |
入賞
作品名: | 「サラリアシリーズ」 |
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受賞者: | アキレス株式会社 |
特 徴: | 独自の配合技術により、粉ふり不要の透明軟質PVCシートを開発。 |
作品名: | 「Bloom lampshade series(ブルーランプシェードシリーズ)」 |
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受賞者: | 有限会社アスポ・森松株式会社 |
特 徴: | PVCプリズムシートの光拡散効果を利用したランプシェード。 |
作品名: | 「キャップモタナ~い」 |
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受賞者: | 森松産業株式会社 |
特 徴: | 集光性軟質塩シートを使用し、キャップの紛失を防止する製品。 |
作品名: | 「Kdome(ケードーム)」 |
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受賞者: | 株式会社ナショナルマリンプラスチック |
特 徴: | 大型の空気ダクトのFRP線と工場端材(PVCターポリン)をアップサイクルした軽トラック用幌。 |
作品名: | 「アップサイクル丸洗い犬の散歩バッグ」 |
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受賞者: | 株式会社コロニーファクトリー |
特 徴: | 接合強度が強い特殊な高周波ウェルダーを使って工場端材をアップサイクルしたバッグ。 |
来賓のごあいさつ
経済産業省製造産業局
金井伸輔 革新素材室 室長
機能面でも環境面でも「生活を豊かにする」塩ビに期待
塩ビは昔から親しまれてきた素材ですが、今回のコンテストを通じて、まだまだ多様な用途が開拓できると実感しました。様々な塩ビの特性が、災害対応の製品やデザイン性の高い製品に表われていました。塩ビの特性を活かすことで、革新的な利用が可能だと思える受賞作品の数々でした。
また、塩ビは、二酸化炭素の排出量削減などの地球環境に貢献できるという点でも、「生活を豊かに」できると考えます。現在、経済産業省では、脱炭素社会の実現に向けてグリーントランスフォーメーション(GX)を推進しています。GXの流れの中でも、塩ビは今後、さらに社会に貢献できる素材だと期待しています。ぜひ、これからも塩ビ業界を盛り上げていただきたいと思います。
ご講評
芝浦工業大学 デザイン工学部教授
橋田規子氏
身近で役に立つ製品を発掘する機会に
受賞作品は、塩ビのタフで信頼のおける特性を活かした作品が出揃いました。特に水害対策用の製品が多く受賞されています。準大賞の「エスロン大型建物用雨とい」は、技術的に難しい成型を実現し、軽量化したことで施工の負担を減らせるという課題を解決。優秀作の「スリム内副管マンホール継手」は、楕円形にするという明快な発想で小型化を達成し、施工性の向上や長寿命化に貢献しました。また、デザイン面を高く評価したのは、「CELL ワインバッグ」。色使いもキュートですし、構造を活かしたデザインは、見ているだけでも楽しくなる作品でした。身近で役に立つ作品が多く見出されたコンテストになったと思います。
「第10回PVC Award 2023」展示会、開催
「PVC Award 2023」の受賞作品や、主な応募作品を紹介する展示会が開催。2024年3月2日〜11日に、東京丸の内の「GOOD DESIGN Marunouchi」(新国際ビル1F)で、2024年4月9日〜11日には、愛知県名古屋市「ウィンクあいち」にて展示会が開催されました。
会場では、受賞作品だけでなく応募された60点ほどの作品が展示され、塩ビ製品独特の柔らかい質感や軽さを感じてもらえる機会になりました。特に、防災関連製品やインテリア製品は高い関心を集め、実際に購入したいという声も聞かれました。
来場いただいた皆様、並びに開催にご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました。