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進化する粘着技術。デジタルプリント壁紙など注目の製品も
粘着素材のリーディングカンパニー・リンテック㈱。塩ビ系建装材製品の最新情報
リンテック株式会社(西尾弘之社長/本社 東京都板橋区)は、日本における粘着素材分野のリーディングカンパニー。90年余りに及ぶその歴史の中で、同社は数々の画期的な製品を生み出してきました。今回は、その豊富なラインナップの中から、塩ビ系建装材関連製品の最新情報をピックアップ。路面用粘着シートやデジタルプリント壁紙など、多彩な粘着製品にご注目を!
段ボール封かん用のガムテープから始まった
1927年(昭和2年)、段ボール封かん用の「ガムテープ」の製造・販売からスタートして以来、一貫して粘着素材の可能性を追求してきたリンテック(創業時の名称は不二商会。1990年、リンテックに社名変更)。今や同社の製品は、シール・ラベル用の粘着紙・粘着フィルムをはじめ、屋外サイン用粘着シート、内装用化粧フィルム、さらには半導体関連テープ、液晶関連フィルムにまで及び、多彩なラインナップで、幅広い業界に向けてグローバルに事業を展開しています。
塩ビフィルムを活用した建装材関連製品
その中で今回注目するのは、素材として塩ビフィルムが使われることの多い建装材関連の製品群。この分野の製品には、①専用フィルムに大判デジタルプリンタで出力する屋外看板・広告や、電車・バスなどの車体装飾用のマーキングフィルム、②店舗装飾などに使われる内装用化粧フィルム、③建物や自動車用のウインドーフィルムなどが含まれますが、中でも①の大判粘着フィルムは、屋外耐候性や加工適性、施工性などのトータルバランスが優れている塩ビフィルムが活用されています。
「マーキングフィルムは米国から入ってきたものだが、高価だったため自社生産に踏み切った。素材としてはやはり塩ビが多く、当社では、屋外看板や車体装飾などとして幅広く採用されている『ビューカル』、100%子会社であるリンテックサインシステムの『タックペイント』などのブランドを展開しており、それぞれ人気が高い」(建装材営業部の石見部長)。
また、近年は白や透明の塩ビフィルムにデジタルプリントを施し、出力面保護のため表面にラミネート加工を施した製品も増えてきています。路面用粘着シート「フロアマーキングOXZ」は、アスファルトやコンクリートなどの凹凸面にもしっかりと追従し、長期使用に耐える製品として注目を集めました。
図は「フロアマーキングOXZ」の構造。
表面を特殊塩ビフィルムでラミネートしている。
オリジナリティーあふれる内装用化粧フィルム
一方、リンテックサインシステムの内装用フィルム「パロア」は、主にホテルやレストラン、商業施設、病院、オフィスなどの室内装飾に利用されています。塩ビフィルム製品もラインナップしており、「発売以来、『天然高級壁装材に負けない質感』という高い評価をいただいている」(事業企画マーケティング部の藤原グループ長)。
高い評価の理由は、あらゆる空間設計に対応する多彩なデザインが揃っているためで、その数なんと約500アイテム。中でも定番の木目柄は、チェリー、オーク、メープル、杉、桐、マホガニーなどが用意されており、高級感あふれる空間演出を実現します。
このほか、ドアなどの溝や曲線のある場所に施工しても、追従性がよいので仕上がりが美しいことも高評価の要因のひとつです。
業界初、好みのデザインでオリジナル壁紙
内装用の製品として、もうひとつ注目したいのが、デジタルプリント壁紙「プリンテリア」。デジタルデータをインクジェットで白の塩ビ壁紙にプリントし、表面にラミネート加工を施したものです。グラビア印刷が主流の一般の壁紙と異なり、お好みのデジタルデータを使えるため、自由自在にオリジナルデザインの壁紙を作れることが、この製品の画期的な特徴といえます。
「デジタルプリント壁紙は写真の再現性がよく、エレベータなどのスチール壁面にも施工することができる。また、また防火認定や、ホルムアルデヒドの発散量が少ないことを示すF☆☆☆☆認定を取得しており、安全性にも配慮している。思い描いた空間イメージをそのまま再現する壁紙を小ロットから手軽に製作することができるという特徴があるため、ホテルやファストフード店などで利用する動きが広がっている」(技術・開発室の天野室長)
現在、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて積極的に普及活動を推進しているというリンテック。オリンピック・パラリンピック開催中は、同社の製品で彩られた関連施設やサインがさまざまな所で見られるようになるかもしれません。
天野技術・開発室長(右)、事業企画マーケティング部の藤原グループ長(左)。
後ろに見える壁紙は、同社製のデジタルプリント壁紙
こっちも要注目!
建物用ウインドーフィルム。ガラス面に貼るだけで、省エネ・紫外線カット効果やガラス破損時の飛散防止対策効果など、様々な機能を発揮します。但し、PETフィルム製が中心(一部塩ビ製も)。