インフォメーション 3
素早いワンストップ対応と
仕入れ先との良い関係性が、
私たちの強み
左から、間部サブマネージャー、森社長、安井マネージャー
森松株式会社(以下、森松)は、PVC素材の取り扱いから、素材の提案、加工まで、ワンストップで引き受ける企業。名古屋市に本社を構え、創業以来70年、実績を積み重ねてきました。
今回は、人や企業のつながりを大切にする姿勢と、PVC Award 2021で入賞したバイオマスデスクマット開発の背景を、森松の代表取締役社長 森直樹さん、企画営業部マネージャー 安井浩二さん、営業部サブマネージャー 間部将大さんにお話を伺いました。
人と企業のつながりを育みながら歩んできた商社
―御社の特徴についてお聞かせください
森松は、PVCを扱う商社として創業し、PVCやPPなど、数多くの素材を提案、販売してきました。さらに、裁断、スリッター、プレス抜き、PVC同士を溶着させるウェルダー加工なども自社内で対応。デスクマット、カッティングマットをはじめとしてさまざまな企業様の製品開発にOEMとして携わっております。
実は、プラスチック業界では多くの場合、素材の卸と加工は分業体制にあります。弊社は商社として始まりましたが、事業の持続性を考え、40年ほど前から少しずつ加工機械の導入を続けてきました。今では、素材と加工方法、両面からの提案力で、お客様の様々なご要望にお応えしています。
ご注文を頂いてから納品までワンストップかつ短納期で対応できるのが、私達の強みですね。加工前には、素材の品質チェックを逐次行うので、仕入れ先と連携した品質維持も心がけています。
―様々な企業を集めた展示会も独自開催していますね
弊社では、創業当時は素材の仕入れに苦労していた時期がありました。そんな経験があったからこそ、事業の中で生まれた人や企業の関係は大切にしたいですし、お互いにコミュニケーションを重ねながら、関係性を育んでいきたいと考えています。
仕入れ先との関係性を育む気持ちから生まれた「元気が出る森松展」は、様々なプラスチック素材の製造業者が集まる展示会。年1回の開催を続け、2021年で29回目になります。今回は36社が出展しました。これだけ多くの企業様に集まっていただけるのは、本当にありがたいです。来場者は、バイヤーや加工業者など様々。東京や大阪など遠方のお客様が名古屋に来社いただくきっかけとしても重要なイベントです。
会場では、それぞれの企業様が、自社の取り組みや、自社製のプラスチック素材で作られた製品を展示します。毎年変わる森松展のテーマに合わせた展示内容を、私たちも出展企業様と企画しております。今年のテーマは、「過去・現在そして未来 〜新たなるステージへ〜 」です。期間は9月8日(木)〜10日(土)、名古屋本社の5階が会場です。弊社ウェブサイト(https://www.morimatsu.net)でも展示会出展企業情報を発信しておりますので、興味を持たれた方はそちらもぜひご覧下さい。
―昨今のコロナ禍では、どのように開催したのでしょうか?
過去2回は、感染拡大防止の観点から、動画での出展企業紹介を導入。会場には出展企業様の担当者不在の状態で開催しました。その代わり、来場されたお客様に対しては、森松社員が、出展企業様の展示内容をご説明。企業と製品についてきちんと説明できるよう、事前に社内で勉強会も行いました。来場者にも喜んでいただけましたし、私たちもとても勉強になりました。
ここまで力を入れるのも、お金のやり取りだけではなく、人と人が向き合う姿勢を大切にしたいからです。
弊社の社訓の一つとして「利は元にあり」という言葉があります。私たちの事業は、素材の仕入れ先が無くては立ちゆきません。だからこそ、仕入れ先の皆さまと良い関係を育み、これからも事業を継続させていきたいと思います。
三社協力で業界初のPVC製品を実現
―「バイオマスデスクマット」について教えてください。
バイオマスデスクマットは、アキレス株式会社(以下、アキレス)様が開発した、原材料の一部にバイオマス材料を使用した環境配慮型軟質PVCシート「バイオマス可塑剤仕様マット AM-01」を使用したデスクマット。このマットは、一般社団法人日本有機資源協会が認定する「バイオマスマーク」の認定を受けています。
見た目は普通のデスクマットと変わりませんし、耐久性や透明性に優れ、質感もなめらかで快適に使っていただけます。
2019年に、環境省から「プラスチック資源循環戦略」が出されたことをうけて、石油由来ではない資源から作った「バイオマス素材」を使用したデスクマットの開発をスタートさせました。
製品としてはシンプルですが、バイオマス素材を使用したデスクマットは業界初。というのも、通常の製品よりも原価が上がってしまうからです。そこで、製品化するために、アキレス様と事務用品通販会社と共に製品の仕様と価格を調整し、販売に至りました。これからも改良を重ね、もっとお求めやすく消費者にとって身近な製品にしていきたいです。
プラスチックのリサイクルの可能性を広めたい
―これから取り組みたいことをお聞かせください
PVCは再利用しやすく環境にも良い、ということも伝えていきたいです。ペットボトルのリサイクルは一般的ですが、デスクマットなどPVC製品もリサイクル素材として再利用できることは、あまり知られていないと思います。
例えば、文具メーカー各社やオフィス家具メーカーと共同して使用済みデスクマットの回収システムを構築できれば、プラスチックリサイクルの可能性を広めるために有効なアイデアだと思います。
企業だけでなく、団体や業界など大きな単位で取り組むことで、たくさんの人に認知してもらえるのではないでしょうか。良質な製品を作るだけでなく、プラスチックの再利用を増やす取り組みも、考えていきたいですね。