2021年03月 No.112 

広報だより

中学理科教育用映像教材「プラスチックとわたしたちの暮らしⅡ」発行

 新しい学習指導要領(平成29年告示)に対応した中学理科教育用映像教材「プラスチックとわたしたちの暮らしⅡ」が発行されました。一般社団法人日本化学工業協会、塩ビ工業・環境協会(VEC)など5団体が共同事務局をつとめる海洋プラスチック問題対応協議会(JaIME、森川宏平会長)が制作したもので、監修は全国中学校理科教育研究会(全中理)会長の山口晃弘先生。平成20年告示の学指導要領に合わせて作られた「プラスチックとわたしたちの暮らし」(2013年、日化協制作)の改訂版に当たります。

写真:中学理科教育用映像教材「プラスチックとわたしたちの暮らしⅡ」発行
【JaIME事務局】
一般社団法人日本化学工業協会/日本プラスチック工業連盟/一般社団法人プラスチック循環利用協会/石油化学工業協会/塩ビ工業・環境協会
 

 教材は、映像資料のDVDと指導資料のCD ROMの2枚1セットで、DVDは本編5編、特典映像3編から成り、総視聴時間は88.5分(別掲参照)。各編とも『持続可能な社会に貢献するプラスチックの可能性』をコンセプトに、「教育現場におけるプラスチックについての科学的な見方や見識、プラスチック製品に関する理解を深めること」など3つの目的に沿って編集されています。
 主に中学校の理科教員向けの映像教材としての使用を想定したもので、授業で使いやすいように、それぞれが一話完結となっているのがポイント。どのチャプターからでも視聴できる組合せ自由の構成です。
 新しい学習指導要領による授業は2021年度から始り、プラスチックの授業が中学1年生から3年生に移行することになっているため、3年生の「化学変化とイオン」「化学技術と人間」など複数の単元で、授業の補助ツールとして利用されることが期待されます。
 事務局の各団体のサイトでDVD画像の閲覧、CD ROMの指導資料のダウンロードが可能です。

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DVD映像の一部

映像資料の内容(全編約88分30秒)

  1. プラスチックとグルメ(約12分)
  2. プラスチック、分類チャレンジ(約12分)
  3. ペットボトル6つの謎(約15分)
  4. なるほど!プラスチック(約6分30秒)
  5. その使い捨て、NG?OK?プラスチックのリサイクル(約7分30秒)
    特典映像1. リチウムイオン二次電池の開発(約8分)
    特典映像2. プラスチック実験集(約16分30秒)
    特典映像3. あったらいいな!こんなプラスチック(約11分)

指導資料は「指導案」3種、「ワークシート」8種、「補助資料」3種

全中理・山口晃弘会長のコメント

 今回の監修に当たっては、観察実験の場面や、子どもたちに考えさせたりする場面を、出来るだけ取り入れるよう工夫した。最新の知識、最新の映像をただ見せるだけでは、子どもたちが受け身になってしまい、すぐに忘れてしまう。その映像を使って子どもたちに何を身に付けさせるかが大事だ。プラスチックとの付き合い方や環境問題の考え方など、科学的なデータに基づいて判断する姿勢が身に付くよう、このDVDを利用してほしい。

写真:山口晃弘会長割
山口晃弘会長

新学習指導要領に備え、都中理がプラスチック授業研修会

 1月15日午後、東京都中学校理科教育研究会(都中理、薦田敏会長)の観察・実験委員会が主催するプラスチックをテーマにした理科授業の研修会が、東京茅場町の六甲ビルで開催されました。
 会には、都内の中学校理科教師およそ20名が参加。現場の教師による様々な実験方法の提案(発泡ポリスチレンの溶解と再発泡の実験、シュリンクフィルムの熱収縮の実験など)や座談会などを通じて、新しい指導要領の始まりに備えて情報の共有が図られたほか、「プラスチックとわたしたちの暮らしⅡ」についても、「授業の中で積極的に活用していきたい」との意見が聞かれました。

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