「上田学園コレクション2012」の会場から

塩ビ素材を用いた「マワリマワル」が上田安子ブランド大賞を受賞

　大阪梅田のファッション専門学校上田学園が主催する「上田学園コレクション2012」（第128回）が1月21日の午後、グランキューブ大阪（大阪国際会議場）で開催されました。会場では同校の学生が一年間の勉強の集大成として創作した学生ブランドのファッションショーが華やかに繰り広げられたほか、アパレル作品やバッグ・帽子などの工芸作品も展示され、人気を集めました。

● 東日本大震災への思いを込めて

　「上田学園コレクション」は、その長い歴史と出品作品の豊かな創造性からアパレル企業、ファッション業界の熱い注目を集めるビッグイベントで、今回は東日本大震災という大きな試練を受けて「DISCIPLINE−ファッションが私を鍛える」をテーマに設定。
　「ファッションを通じて自身を鍛え、人々に夢や希望を与えられるファッションを産み出すため、研鑽と訓練を重ねていこう」という思いが込められた、華やかな中にも真摯な雰囲気の漂うイベントとなりました。

● 塩ビ業界との産学協同の成果

mawarimawaru （マワリマワル）

　ファッションショーで披露された学生ブランドは、コンセプトからデザイン・縫製・スタイリングまで全てを学生の企画で作り上げたオリジナル作品で（8グループ各7名の学生が製作）、当日は作品発表とともにその審査会も行なわれ、塩ビ素材を用いた「マワリマワル」が見事、上田安子ブランド大賞を受賞。この作品は、「森で循環する生命」というコンセプトを、ニット糸と塩ビの異なる材料の組合せで表現したもので、「抽象的デザイン構築が新しく、テーマに相応しい」ことが評価されました。なお、作品に使用された塩ビ素材は関西を中心とした塩ビ業界が提供したもので、今回の大賞受賞はこれまでの産学協同の取り組みの延長で実った成果といえます。

● 学生の創作意欲を刺激する塩ビ素材

ずらりと並んだ作品

　一方、展示ホールには、ファッション工芸デザイン学科の学生がデザインしたカラフルな塩ビ製ファスナーケース（西日本プラスチック製品加工協同組合の幹事会社（株）河野プラテックが製作支援）や、塩ビ素材を用いたバッグや靴、帽子などがズラリ。塩ビが学生の創作意欲を刺激する素材のひとつになっていることを感じさせました。

国内最大級の環境展「エコプロダクツ2011」に出展（VEC/JPEC）

5年連続の出展。インフラを支え、環境を守り、新たな可能性も秘めた塩ビの世界を紹介

インパクトあふれる塩ビブース

　昨年の12月15日から17日までの3日間、日本最大級の環境展示会「エコプロダクツ2011」（（社）産業環境管理協会、日本経済新聞社主催）が、東京ビッグサイト東ホールで開催され、塩ビ工業・環境協会（VEC）も塩化ビニル環境対策協議会（JPEC）とともに 5 年連続で出展。インパクトのあるブースデザインや、建材、デザイングッズ、リサイクル品などの製品展示により、塩ビの多彩な世界をアピールしました。

● 「東北大震災の復興」をテーマに

　「エコプロダクツ展」は、今回で13回目を数える日本最大級の環境展示会。昨年は、円高、大震災など厳しい経済状況の中での開催となりましたが、 750社・団体が出展した会場には、3日間で約18万人が来場するなど、同展に対する社会的な関心の高さを印象づけました。
　また今回は、「東北大震災の復興に向けて−がんばろう日本！「環境」で復興を」がメインテーマとなっており、VECとJPECも「エコプロダクト展のコンセプトである『技術を活用して無理なく環境配慮を進めていく』をこの未曾有の大震災から日本経済を復興させる原動力にし、ひいては被災地の復興に繋がっていく」というエコプロ事務局の考えに賛同して、共同出展を決定したものです。

● 有用で、しかも楽しい塩ビ製品の数々

　今回の塩ビブースは、塩ビパイプでできたフレームを中心に、タイルカーペットの床、展示台、展示物のケースまで全体を塩ビで製作。特に約 1500 本もの塩ビパイプを使用したブースの外観は「ユニークで圧巻」と、多くの来場者にインパクトを与えた様子でした。
　 展示の内容は、�@社会のインフラ・ライフを支えるPVC、�A地球環境・自然保護に貢献するPVC、�B新しい可能性にチャレンジする PVCの3 つのゾーンに分けて、多種多様な塩ビ製品を紹介したもので、震災復興に向けてインフラに貢献する塩ビ製品（電線、RRロング管、輸血バッグなど）から、エコ製品（樹脂サッシ、ヤマネの巣〈塩ビ管〉、壁紙リサイクル品幼稚園グッズ）、さらには本年度実施した塩ビものづくりコンテストの入賞作品まで、有用で、しかも楽しい製品の数々に、来場者も「塩ビってこんなところにも使われているの」と驚ろきの表情で見入っていました。

震災復興へのインフラを支える 塩ビ製品		樹脂サッシ、ヤマネの巣、リサイクル品etc.		塩ビの新しい可能性を伝えるものづくりコンテスト入賞作品