全国健康保険協会の健康保険証カードが塩ビ製に
臓器提供意思表示欄の保護シールも塩ビに統一の動き。リサイクル進展に期待
全国健康保険協会が運営する「協会けんぽ」の健康保険証カードが塩ビ製に変更されました。また、保険証裏面の臓器提供意思表示欄の保護シールも塩ビ製に統一する動きもあり、マテリアルリサイクルの進展につながるものと期待されています。 |
●塩ビの印刷性、リサイクル性等を考慮
2008年10月1日から従来の政府管掌健康保険を引き継ぎ、新たに全国健康保険協会が設立されました。民間の法人として、民間のノウハウの積極的な採用やサービスの向上、意識改革をもって運営されています。運営する健康保険の愛称を「協会けんぽ」といい、中小企業等で働く従業員やその家族が加入しています
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図1 表面 |
協会けんぽの健康保険証(図1)は、従来の政府管掌健康保険において2003年頃から紙素材からプラスチック素材に変更されており、その材質もPETG、PETG/PVC複合などと変遷してきています。
それぞれの素材に特徴がある中で、印刷性やリサイクル性等を考慮されて全面的にPVCカードへ仕様を変更されました。2010年8月下旬に第1回目の入札(約80万枚)が、10月下旬に第2回目の入札(約310万枚)が行われました。合計で約400万枚になりましたが、加入者数は約3400万人で推移しており、毎年の新規発行枚数は約900万枚となるそうです。
●高品質のマテリアルリサイクルへ、VECも協力
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図2 裏面 |
また、臓器の移植に関する法律の一部改正に伴う、健康保険法施行規則等の一部改正により、2002年7月17日より健康保険証の裏面(図2)が変更となり、臓器提供意思表示欄を設けることとされました。臓器提供意思表示欄の記入内容は、臓器の移植に関する法律に規定する書面による意思表示として取り扱われます(臓器移植についての詳細は、(社)日本臓器移植ネットワークのホームページ参照)。実際の健康保険証カードの表示は図2裏面のようになっています。
臓器提供意思表示欄を記入した場合、そのままでも使用することができますが、意思表示欄保護シール(個人情報保護シール 図3)を上から貼り付けて使用することもできます。このシールは、記入内容を他人に知られたくない場合に上から貼り付ける目隠しシールで、一度はがすと再貼付できません。実際のシールの表示は図3のようになっています。
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図3 |
現在、このシールについても塩ビ製にするべく検討が進んでおり、基本的には全ての素材が塩ビ製となることで高品質のマテリアルリサイクルなどが可能となります。
全国健康保険協会でも高度なリサイクルスキームを検討しており、塩ビ工業・環境協会(VEC)も協力していく方針です。 |