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“環境万博”ハノーバーExpo2000の会場で見つけた「塩ビのある風景」
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「新しい世界の創造――人間・自然・技術」をメインテーマに、6月1日〜10月30日までドイツのハノーバーで開催されているExpo2000(ハノーバー万国博覧会)。持続可能な未来社会への道筋を来場者に分かりやすく伝えようと各国が展示方法に知恵を絞る中、塩ビもパビリオンや会場内の施設などに利用されてイベントの成功にひと役買っています。以下は、場内で見つけた「塩ビのある風景」のひとこま――。 |
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● 欧米でも、塩ビは“隠れた主役”
環境万博とも言うべき今回のExpo2000で、“紙と木だけでできたパビリオン”というコンセプトが来場者の評判を呼んでいる日本館。但し、その外装には厚手の塩ビシートが利用されています。これは強度や耐火性を心配したドイツ当局の指導によるもの、とのこと。
一方、赤い塩ビシートで屋根と壁面を覆い尽くしたのはオーストラリア館。アイスランド館の外壁も一面青色の塩ビシート張りです。パビリオンの中で特に人気の高いドイツ青少年連盟のBig Tipi館は、アメリカインディアンのテント小屋ティーピィーを模した巨大な塩ビ製テント。その中では環境運動をテーマにした展示などが行われ、連日多くの来場者を集めています。
中には、ディスプレイに塩ビを利用している国もあります。例えば、表面に人物写真などを印刷した透明な塩ビシートを展示しているフィリピン館。また、“タンゴの国”アルゼンチン館には10mもある大きな塩ビ製のアコーディオンの模型が展示されています。
このほか、会場内のさまざまな施設や商品にも塩ビは利用されています。来場者の足として重宝されている電動カートは、車両の覆いや座席に塩ビシートを使用したもの。
ドイツからの情報によれば、当初一部の環境団体から会場に塩ビを使わぬよう当局に要請があったとのことですが、実際に現場を見れば、世界の各国は日本で考えられているより遥かに冷静に塩ビと付き合っていることが分かります。ドイツの雑誌 Die Zeit 5月22日号(No.25)では、こうした会場の様子について、「(パビリオンの)表面上の主な材料は木材だが、隠れた主材として塩ビ樹脂が使われている」と報じています。施工性やデザイン性に優れ価格も安い塩ビは、いつものことながら“隠れた主役”。環境問題の厳しいヨーロッパでも、それは全く変わらないようです(情報提供:信越化学工業(株)遠藤良治氏)。
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