現在、岐阜県内の農ビの収集は一部始まっていますが、計画では今年秋から年間1,000トン程度の農ビが県内各地から集められ、再生品の原料として利用されることになっています。
リサイクル製品としては、高速道路の中央分離帯ブロックや駐車場の車止め、柵・擬木などの土木資材、景観資材などが検討されていますが、こうした製品開発の面では、タイボー・プロダクツの親会社である(株)タイボー(本社=和歌山市/本誌No.27参照)に蓄積された塩ビ・プラスチック再生のノウハウが大きく貢献しています。
前記のリサイクル製品も、既にタイボーが再生ポリエチレンを原料に製品化しているものですが、中でも、コンクリートに代わる軽くて丈夫な製品として全国の高速道路に採用されている中央分離帯ブロック(商品名「エコブロック」)は、タイボーがかねてから「塩ビの特性を生かして製品化してみたい」と開発に意欲を燃やしていたもので、農ビを用いることにより、日光などの熱による反りが少ない高性能な製品の製造が可能になりました。
「ドイツでは既に高速道路の分離帯やボラード(路側柱)などに塩ビのリサイクル品が本格的に使われており、環境面でも何の問題もなく市民に受け入れられている」とタイボー・プロダクツの平野二十四社長は海外の状況を説明しています。
タイボー・プロダクツでは、農ビを用いた駐車場の車止めは既に発売を開始しています。このほかに農ビに可塑剤を配合したゴム質感のある安全性の高い車止めなども試作中で、トラックを使った実験でもその耐久性が証明されています。
平野社長は、「エコブロックとボラード、それにプラスチックレンガについては、今年中に金型を作って塩ビのリサイクルをスタートしたい」と言います。 この秋以降、中京地区の農ビリサイクルは大きな転換期を迎えることになりそうです。
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