1999年3月 No.28
 

 塩ビ管・継手のリサイクルへ、全国10拠点が決定

  「2000年まで70%リサイクル」の目標達成に見込み

    塩ビ業界では、塩化ビニル管・継手協会と塩ビ工業・環境協会(VEC)、および当協議会を中心として、昨年10月から塩ビ管・継手のリサイクル事業に取り組んでいます。マテリアルリサイクル率を2000年までに70%に倍増することなどを目標としたもので、このほど、その協力拠点網が完成し、塩化ビニル管・継手協会と全国10社の回収・再生業者との間でリサイクルの協力に関する契約が締結されました。これにより、「2000年まで70%リサイクル」という当面の目標は達成できる見込みとなりました。  

 

再生加工業者との協力体制を構築

 上下水道や農業用水等のパイプとして利用される塩ビ管・継手は、塩ビ製品全体の30%を占める最大の用途となっており、生産量は年間約50万トンに達します。一方、廃棄量はビルの建築現場から出る残材など年に1万5,000トン〜2万トン程度と推計され、うち約35%(5,000〜6,000トン)が再生パイプなどにリサイクルされています。
 塩ビ業界が取り組んでいる塩ビ管・継手のリサイクル事業は、埋立処分場の不足と資源循環型社会の構築という社会的な要請に対応して、現在埋立処分されている残り65%分の完全リサイクルを目指すもので、回収・再生加工業者との協力体制を構築した上で、塩ビ管・継手廃材の回収と既存のリサイクルシステムを活用した再生品の生産を行うことが事業の骨格となっています。
 主な目標事項は次のとおり。
 (1)2000年までに現在のマテリアルリサイクル量を倍増し、リサイクル率70%達成を目指す。
 (2)マテリアルリサイクルに加え、高炉原料化やセメント原燃料化などによる新たなリサイクルを推進し、将来的には100%のリサイクルを目指す。
 (3)リサイクル拠点として全国に約10ヵ所の施設を整備する。
 (4)再生管の規格を作成し、普及を図る。

 

10拠点で塩ビ管をリサイクル

 リサイクル拠点の整備については、昨年夏以降、全国の回収・再生加工業者との話し合いを進めてきており、その結果、12月に10社の協力が得られることになりました。
 この10社は、関東地区の3社、関西地区の2社をはじめ、北海道、東北、中部、中・四国、九州の各地区に1社と全国の地域を網羅しており(別表および所在地図参照)、今年から各地区で排出された塩ビ管・継手は、最寄りのリサイクル協力会社に運ばれた上で、再び塩ビ管などにリサイクルされることとなります。
 これにより、2000年までに塩ビ管・継手のリサイクル率を70%とする当面の目標は達成できる見込みとなりました。
 なお、塩化ビニル管・継手協会ではリサイクル・環境事業特別会計を設け、平成10年度予算(平成10年10月〜11年3月)として1億3,100万円を計上するなど、当面5億円の資金を予定して、これらリサイクルシステムの構築、運営に当たっていく計画です。
 また、昨年11月には、塩化ビニル管・継手協会内に「環境・リサイクル対策室」(連絡先/TEL.03−3470−2251)を新設し、専任職員2名を配置しています。