塩ビの高炉原料化、いよいよ実用技術の確立へ
総事業費25億円を投入、年間5,000トン規模の設備で2001年3月まで
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前項でご紹介した共同研究の成果を踏まえて、NKKとプラスチック処理促進協会、および塩ビ工業・環境協会(VEC)の三者は、塩ビ高炉原料化の実用化へ向けた設備の建設と技術開発を推進することを決定し、去る2月26日開催の共同記者会見でその概要を発表しました。発表の内容は次のとおりです。 |
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実用化に向けた塩ビの高炉原料化リサイクル推進について
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塩ビ工業・環境協会(会長;金川千尋 信越化学工業社長)、NKK(下垣内洋一社長)、プラスチック処理促進協会(会長;幸田重教 三井化学会長)の三者は、塩ビの高炉原料化リサイクルの実用化に向け、設備の建設および技術開発を推進することを決定致しました。
塩ビ業界は、環境調和型社会の実現を目指し、リサイクル拠点の整備をはじめ、各種リサイクルの技術開発、用途開発、実用化を積極的に進めています。
そのひとつとして、1997年8月よりNKK、プラスチック処理促進協会とともに、塩ビの高炉原料化リサイクル技術の共同研究を開始、1998年4月には実証規模の試験設備をNKK京浜製鉄所内に設置し、性能確認および評価を行い、良好な試験結果を得て参りました。
これらの成果を踏まえ、三者は実用化に向けて、2001年3月迄に以下の項目を中心に技術の確立を進めていきます。
(1)高濃度塩ビの良質な高炉原料化技術の確立
(2)高純度塩酸の回収・利用実用化技術の確立
(3)各種塩ビ製品(例えば、農ビ、壁紙、パイプなど)の混合比率により変動する塩ビ濃度に対応した安定操業技術の確立
(4)一貫設備(破砕・造粒、脱塩素・高炉原料化、塩酸回収、高炉吹き込み等の一連の工程を行う諸設備)による連続操業技術の確立
あわせて、一般廃棄物を対象とした容器包装リサイクル法への対応も進めて行きます。 今回建設する設備は、当初、能力5,000トン/年の規模とし、NKK京浜製鉄所内に設置、2001年4月以降は、実用プラントとしての運用も視野にいれていきます。
また、本事業に係る総事業費は約25億円を予定しております。
なお、本事業の一部について、プラスチック処理促進協会が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO 松井秀行理事長)に対し助成金の交付申請を行い、平成11年2月25日付けで、交付決定を受けております。
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