1993年9月 No.6
児玉新会長からのご挨拶
塩化ビニルリサイクル推進協議会 会長
児玉 俊一郎
地球環境問題解決の糸口を求めて
私は、本年6月22日に当協議会の会長に就任いたしました。塩ビに関する正しい知識の普及と再資源化技術の指針づくりを目的に設立された当協議会も3年目に入りました。山口敏明前会長は、協議会設立の趣旨に沿い広範な活動を展開してこられましたが、私も引き続きこの路線を踏襲していきたいと思います。
さて、当協議会の各委員会と各ワーキンググループは、事業計画に従って着々と活動を進めております。例えば、プラスチック廃棄物の問題では、塩ビをその元凶のように見る風潮に対して、ニュースレターを発刊して当協議会の活動紹介や塩ビへの言われなき誤解を解くための情報提供を行ってきました。また、地球環境問題と塩ビ製品の貢献をテーマに日刊紙上で数度にわたるキャンペーンを展開したほか、関係する展示会にも積極的に参加して同様のアピールを続けてきました。
一方、マテリアルリサイクルのモデル事業推進の取り組みとしては、塩ビボトルや卵パックなどのリサイクルについて検討を進めています。このうち、塩ビボトルについては減容化設備の開発と増設を進め、顧客先との連携で実地実験の規模を拡大しているところです。卵パックでは地域の生協等の協力を得て回収実験を行うまでに至りました。
また、エネルギー・資源回収に関しても、塩ビリッチ廃棄物の焼却システムの調査を終了し、現在はより具体性のあるシステムの検討に着手しています。
塩ビは、原料からしても資源の利用効率の良い素材です。当協議会は、塩ビ資源の有効利用と再資源化、並びに地球環境問題解決の糸口を見出だすよう最善の努力を傾注しながら、消費者の理解を高めていきたいと思います。今後とも皆様方のご協力をお願い申し上げます。
<児玉俊一郎会長略歴>
大正15年8月8日、東京都生まれ。慶応儀塾大学卒。昭和25年4月、呉羽化学工業株式会社入社。54年取締役合成樹脂部長、59年常務取締役錦工場長などを経て、63年6月代表取締役社長に就任。