2016年12月 No.99
 

「PVC DESIGN AWARD 2016」各受賞作品決定!
大賞は「とびだすおふろ」優秀賞に2作品

入賞は7作品、いずれも力作ぞろい。受賞者、来賓らを招き表彰式

大賞
全体像(ミニチュア) 大賞受賞作品「とびだすおふろ POP-UP BATH」。左は全体像(ミニチュア)
優秀賞
優秀賞「抗ウイルス製品群」
 
優秀賞
優秀賞「amenity pocket」
 ソフト塩ビのモノづくりコンテスト「PVC Design Award 2016」の受賞作品が決まりました。大賞を受賞したのは、(株)ナショナルマリンプラスチックNDPチームN&梶本博司氏が製作した作品「とびだすおふろ POP-UP BATH」。また、優秀賞には「抗ウイルス製品群」((株)三洋 & ロンシール工業(株))と、「amenity pocket」(田村開氏 & 森松(株)岩間正美氏)の2作品が選ばれ(ほかに入賞7作品)、11月25日の午後、東京千代田区の丸ビル・コンファレンススクエアに受賞者、来賓、報道関係者らを招き表彰式が行われました。
表彰式
塩ビ工業・環境協会 角倉会長

柔軟、透明などソフト塩ビの魅力を生かした斬新な製品 & デザインを公募する「PVC Design Award」。〈安心・安全・快適〉をテーマに開催された今回(第6回)は、応募総数315件(デザイン提案256件、製品部門59件)のうち89件が最終審査に残りましたが、いずれもテーマにふさわしい力作ぞろいとなり、応募者のレベルアップを印象づけました。表彰式では実行委員長を務めた塩ビ工業・環境協会の角倉会長(右上の写真)が「6回のアワードを通じて業界の一体感も、塩ビへの理解も深まった」と述べ、各受賞者の健闘に謝意を表しました。

■介護や災害時にも役立つ簡易浴槽(選評)

 「とびだすおふろ」のコンセプトは〈どこでもお風呂〉。マニュアルなしで「飛び出す絵本」のように瞬時に立ち上がり、一人でも運搬可能です。審査員からは「コンセプトに説得力があり、機能性と外観、細部の仕上げにいたるまで作品の完成度が高い。家庭での介護用や災害時の避難所、保育園でのプールなど、様々な用途が考えられ、発展性もある」と高い評価を受けました。

■ 3年連続の栄冠(受賞の言葉)

梶本氏   木村氏
梶本氏   木村氏

 (株)ナショナルマリンプラスチック&梶本博司チームの大賞受賞は2年連続です(2014年は準大賞)。「成功のカギは制作とデザインの垣根がないこと。うちのチームは皆がデザイナーです」(梶本氏)「どこでもドアみたいに、日常で簡単に役立つものをと思って企画しました。折り畳み方法に苦労しましたね」(ナショナルマリンプラスチックの木村豊氏)

「色」「形」そして「問題解決」。
現代デザインの3要素を備えた応募作品

記念撮影 表彰式終了後、受賞者のみなさんと主催団体関係者(前列左から、日本ビニール商業連合会の勝山会長、塩ビ工業・環境協会の角倉会長、日本ビニル工業会の姥貝会長、日本プラスチック製品加工組合連合会の時田会長)がそろって記念撮影。

経済産業省製造産業局・佐藤審議官 公益社団法人 日本インダストリアルデザイナー協会の田中理事長 公益財団法人 日本デザイン振興会 斉藤常務
  ご来賓の方々。左から、経済産業省製造産業局・佐藤審議官、公益社団法人 日本インダストリアルデザイナー協会の田中理事長、今回新たにご後援いだいた公益財団法人 日本デザイン振興会の斉藤常務。
石橋勝利審査委員代表(AXIS編集長)の審査講評
 「上位入賞した作品は、PVCの強みと弱点を知り尽くした上で、メーカーとデザイナーが緊密にコラボしているものが多い。作品のレベルは年々高まっているが、こうしたコラボの価値を理解しているかどうかで作品に差が出る。単にデザイナーのスケッチを形にするのではなく、デザイナーとメーカーがやり取りしながら形にしていくことが大切だ」
石橋勝利審査委員(AXIS編集長)
入賞7作品 大賞、優秀賞のほか、入賞7作品も選ばれました。透明なトンカチ「skeletonkachi」、スマートフォン用防水カバー「PuCa PuCa」、スマートフォンプラットホーム「Yジャイロ」、エアー自立式透明遮熱パラソル「クール オアシス」、空気圧でスキマを作るエアージャッキ「SUKIMA MAKER」、PVCネックレス「Maru Maru Necklace」、事故防止PVCマット「室内用 点字ブロックマット」。「色」「形」に加えて「問題解決」という現代デザインの3要素を備えた作品が増えているのが、近年の傾向といえます。
 なお、このほかにも主催団体による投票で、加工の観点から優れていると認められた奨励賞3作品が選ばれました。(受賞作品の詳細は専用サイトhttp://pvc-award.comをご参照ください)
■「可愛い!」PVC Design Award 2016 の展示会、大盛況
展示会の様子

 「PVC Design Award 2016」の受賞作品を紹介する展示会が、11月25日〜12月4日までの10日間、東京丸の内の「GOOD DESIGN Marunouchi」で開催され、おおぜいの来場者で賑わいました。会場では「可愛い」「これ面白い」「商品化されるの」といった声があちこちから聞こえて、塩ビの新しい世界がデザインに関心の高い人々に十分アピールすることを窺わせました。
 展示会は、大阪(1月24〜25日メルカート会館)、名古屋(1月27日ナディアパーク コード)、福岡(2月2日イズム天神)でも開催予定。

PVC Design Award 2016 実行委員会  
日本プラスチック製品加工組合連合会/日本ビニール商業連合会/日本ビニル工業会/塩ビ工業・環境協会

協賛
九州ビニール製品工業会

後援
経済産業省/公益社団法人 日本インダストリアルデザイナー協会/公益財団法人 日本デザイン振興会

協力
株式会社国際デザインセンター/クリエイティブネットワークセンター大阪 メビック扇町