「環境時代のビルディングエンベロープを
考えるシンポジウム」in東大
3年連続の開催。省エネ、健康な住まいづくりへ、断熱改修のあり方を議論
省エネで健康な住まいづくりのための断熱改修のあり方などを、建築外皮(外壁や床、窓など)をキーワードに考える「環境時代のビルディングエンベロープを考えるシンポジウム」が、11月20日の午後、東京文京区の伊藤国際学術研究センター(東京大学本郷キャンパス内)で開催されました(主催=塩ビ工業・環境協会)。シンポジウムの開催は今年で3回目。 |
●講演&パネル討論でエネルギッシュな会に
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前田氏 |
寺家氏 |
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寺尾氏 |
花牟禮氏 |
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VECの山本理事が
閉会の挨拶 |
会の前半では、全体のコーディネーター役を務めた建築研究所・坂本理事長の開会挨拶、前田参議員と経産省・寺家課長の来賓挨拶に続いて、3人の論客(プログラム参照)が講演。「断熱改修技術の普及や、断熱が健康性の向上に繋がることのアピールが必要」(南氏)、「断熱は単なる省エネ、環境対策でしなく、健康も含めた生活全体の質の向上と理解すべき」(寺尾氏)、「拙速な改修を避け、次世代を見据えた安心快適で長く住み続けられる改修を進めること」(花牟禮氏)など、それぞれの立場から断熱改修普及へ向けた提言を行いました。
後半では、5人のパネラーに坂本理事長、南氏が加わってパネル討論が行われ、「現場で作業する職人を育成して現場力を高めることがカギ」と訴えた喜多氏、「全体改修だけでなく部分改修も含め可能な範囲で住まいの快適性を高めること」を指摘した浴野氏、建築病理学の観点から「治す力を持った住宅医の育成が急務」とした三澤氏、断熱改修に関する消費者意識結果から「消費者が納得できる説明やお買い得感が大切」とした吉田氏、「補助金で下駄を履かせるのではなく、経済合理性でリフォームが進むようにすること」の重要性を強調した鵜澤氏と、活発な発言が続出。最後に坂本理事長が「10年まえと隔世の感があるエキサイティングなシンポジウムだった」と述べて議論を締めくくりました。
シンポジウムのプログラム
◆シンポジウム代表挨拶
坂本 雄三氏((独法)建築研究所 理事長)
◆来賓挨拶
前田 武志氏(参議院議員、元国土交通大臣)
寺家 克昌氏(経済産業省 住宅産業窯業建材課長)
◆講演1 既存住宅をどうすれば健康で省エネに改修できるのか
南 雄三氏(住宅技術評論家)
◆講演2 実践報告/省エネリフォームの魅力を住まい手と伝える
寺尾 信子氏((株)寺尾三上建築事務所 代表取締役)
◆講演3 高経年住宅団地省エネリフォームの実践と合意形成
花牟禮 幸隆氏((株)アール・アイ・エー)
◆パネルディスカッション
「省エネ・健康リフォームをいかにして普及させるか」
コーディネーター:坂本 雄三氏
モデレーター:南 雄三氏
パネラー:
喜多 計世氏(喜多ハウジング(株) 代表取締役会長)
浴野 隆平氏((一社)プレハブ建築協会 住宅ストック分科会 代表幹事)
三澤 文子氏((一社)住宅医協会 理事)
吉田 格氏 ((株)LIXIL 営業企画統括部 ハウジング企画部 部長)
鵜澤 泰功氏(日本モゲージサービス(株)代表取締役社長) |
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