2014年12月 No.91
 

東京ミッドタウンにソフトPVCの
フシギな「水滴のイス」が登場!

プロダクトデザイナーの鈴木啓太氏が「スワリの森」展示会に出展。
塩ビ業界の協力も

朝露に腰掛ける森の小人?
おとぎの国に迷い込んだような
フシギな眺め
 年に一度のデザインイベント「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2014」が、10月17日〜11月3日まで港区赤坂の複合施設・東京ミッドタウンで開催され、メイン企画の「スワリの森」展示会(企画制作NHKエデュケーショナル、会場=ミッドタウンガーデン芝生広場)に出展されたソフトPVC製の「水滴のイス」が、来場者の人気を集めました。

●芝生にコロンとこぼれた透明なしずく

 「スワリの森」は、「科学の楽しさをすべての人に」を合言葉に、NHKエデュケーショナルと、NHK Eテレ「大科学実験」の実験監修など様々な活動を展開している創造集団「ガリレオ工房」と、気鋭のクリエイティブディレクター・古屋遥さんが手がけたフシギなイスの展示会。
 みんなで座りたくなる「巨大切り株チェア」や二人で釣り合いを取って座る「ハートバランスチェア」、「秘密を打ち明けたくなるチェア」など、デザインと科学がコラボした刺激的で楽しい作品が10点余り展示された中で、とりわけ注目を集めたのが、「芝生にコロンとこぼれた透明なしずく」をコンセプトにした、大小6つの「水滴のイス」です。「水に座る」という夢のような感覚を体験できる楽しさが、子供は勿論、大人の遊び心も惹きつけて、体験した来場者からは「どこで買えるの?」「いくら位するの?」といった質問が数多く寄せられました。

●「定岡デザイン研究所」が製作協力

 「水滴のイス」を考案したのはPRODUCT DESIGN CENTERのデザイナー・鈴木啓太さん。鈴木さんから製作の相談を受けた日本ビニル工業会が、「定岡デザイン研究所」を紹介し、同研究所の協力で作品が完成しました。
 空気を入れるボートや浮輪、玩具など普段作っているソフトPVCと異なり、空気の代わりに水を入れた水滴のようなイメージのイスは同研究所でも初めての経験とあって、強度や加工、水の注入方法など試行錯誤を繰り返しながら作り上げたとのこと。陽が当たると中の水を通して芝生が光り輝いて見える視覚効果など、楽しみの大きい作品に仕上がりました。
 日本ビニル工業会では「PVC Design Awardの実施効果で、デザイナーや専門学校生などからソフトPVCを使用した作品づくりの相談が増えている。今後もソフトPVCの新しい用途開発の試みには、できる限り協力していきたい」と語っています。

この水滴のイスは世界的にも権威のあるデザインwebサイト「designboom
http://www.designboom.com/)」にて世界に情報発信されています。