ブライトン会議(PVC2014)の会場から
世界最大の塩ビフォーラム。新製品開発、リサイクルなどめぐり意見交換
3年に一度開かれる世界最大の塩ビフォーラム「ブライトン会議」(PVC2014)が、4月1日〜3日まで、英国南東部のリゾート地・ブライトンで開催されました。討議の中から、ちょっと耳寄りな情報をピックアップ。 |
●日本(VEC)の報告に高い関心
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PVC2014会議の様子 |
今回の「ブライトン会議」には、産業界、学界、NPO、政策当局関係者らおよそ400人が参加。塩ビの市場動向、新製品・新用途開発の動き、リサイクルの進展などをめぐり、3日間で70件近いスピーチおよびプレゼンが行われ、参加者の間で活発な意見交換が繰り広げられました。
日本からは、塩ビ工業・環境協会(VEC)の関専務理事が、2題の講演(初日と2日目)を行い、日本における塩ビ市場動向、リサイクル技術とリサイクル製品の開発状況、市場開拓の試みなどを報告。中でも、塩ビ製品の斬新なデザインを公募して市場活性化を図る「PVCデザインアワード」、企業のリサイクル新技術開発を促進する「リサイクル支援制度」などの取り組みに、高い関心が集まりました。
●医療用塩ビ製品のサイクルなど、興味深い事例も
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医療器具のリサイクル回収箱ポスター
(豪州塩ビ工業協会) |
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コンクリート型枠(豪Dincel社) |
塩ビ製品のリサイクルは、世界各国でも進展を見せています。会議では、ホテルのカード型キーに塩ビのリサイクル材を使っている事例が米国から紹介されたほか、豪州からは医療用塩ビ製品の新たなリサイクルの試み(PVCMed)について報告がありました。この取り組みは、感染性の汚染がない医療用塩ビ製品を現場で分別、回収してリサイクルするもので、分別を容易にするため、対象を輸液バッグなど3製品に限定。現在、医療関係者にリサイクルの重要性と分別回収の仕方をしっかりと理解してもらうための試行が、産業界と医療機関の連携で進められているとのことです。
豪州からは新製品開発についても、表面に塩ビ板を用いたコンクリート型枠という興味深い事例が報告されました。穴の空いたブロック形のユニットを縦横につなぎ合わせ、その空間に鉄筋を通し、コンクリートを流して壁を建造するもので、建造作業の生産性を高め、コスト低減を実現できるほか、塩ビ板の表装に様々なヴァリエーションをつけることも可能。新製品開発というだけでなく、建築工法そのものの新たな提案といえます。
会議に参加したVECの関専務理事は「何十年も使われてきた樹脂にもかかわらず、新製品、新機能、リサイクルなど多くの分野で活発な開拓がなされていることは、それだけ塩ビの有用性が高いということの反映でもあるでしょう」と語っています。
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