日化協主催の理科教員セミナーに協力参加/VEC
実験を交えて「授業に役立つプラスチックの基礎知識」を説明(1月、神戸市)
小中高校で理科を教える先生たちを対象に、一般社団法人日本化学工業協会(日化協)が継続開催しているセミナー「新しい理科カリキュラムに対応した授業法」が、さる1月26日、神戸市の市立青少年科学館で開催され(平成25年度2回目)、塩ビ工業・環境協会(VEC)も「プラスチック教育連絡会」の一員として協力参加。簡単な実験を交えながら、授業に役立つプラスチックの基礎知識などを説明して参加者の好評を集めました。 |
|
セミナーの模様。VECからは高橋裕明環境・広報部部長(左)と一色実広報部長が参加 |
|
●出前授業の経験生かす
塩ビ工業・環境協会(VEC)では、環境教育支援活動の一環として2005年から出前授業に取り組んでいます。プラスチックや環境の話をわかりやすく解いて、青少年のサイエンス・マインドを育てていこうという狙いで、小中高校生から大学・大学院の学生までを対象に、幅広く授業を行ってきました。
一方、新学習指導要領の実施により2012年度から中学校の理科の授業にプラスチックの時間が設けられたのを機に、プラスチック業界では関係4団体(日化協、日本プラスチック工業連盟、一般社団法人プラスチック循環利用協会、VEC)が連携して「プラスチック教育連絡会」を結成。VECも出前授業での経験などを生かしながら、教育現場の先生たちにプラスチックへの理解を深めてもらうための様々な活動を展開しています。「新しい理科カリキュラムに対応した授業法」へのVECの協力は、こうした活動の一環として取り組んでいるものです。
当日のプログラム
@『気体の発生と性質』
東京都品川区立小中一貫校品川学園副校長
山口 晃弘 氏
A『短時間でできる実験、教具の工夫
〜より良い授業をするために』
学校法人四天王寺学園 四天王寺高等学校教諭
田中 芳和 氏
B『身の回りのプラスチックをもっとよく知ろう!』
塩ビ工業・環境協会
一般社団法人 プラスチック循環利用協会 |
●水戸市からも参加。意欲的な先生たち
|
「気体の発生と性質」の実験の様子 |
今回のセミナーには、神戸市内、大阪府、三重県などから中学・高校の理科教員30名が参加。中には、朝4時起きして茨城県の水戸市から新幹線を乗り継いできたという先生もいて、新しい情報を得ようとする意欲的な姿勢を感じさせました。
セミナーでは、まず品川学園の山口副校長が、「気体の発生と性質」と題して、中学生に気体の概念を実感してもらえるよう工夫した様々な実験を交えて講演を行ったのに続いて、四天王寺高校の田中教諭が、自ら工夫した教具を使った授業内容(模造紙を使ったクイズ形式や紙芝居形式の授業)を紹介(「短時間でできる実験、教具の工夫〜より良い授業をするために」)。いずれの講演でも、聴講した先生たちは身を乗り出すようにして興味深げに話に聴き入っていました。
|
|
|
|
|
田中教諭の講演風景 |
|
プラスチックの密度の実験 |
|
発泡スチロールのリサイクル実験 |
●他の教員にも伝えて教室で役立てたい(参加者)
|
質疑応答も活発でした |
最後は、「プラスチック教育連絡会」のメンバーであるVECとプラスチック循環利用協会(講師は神谷卓司総務広報部長)が、「身の回りのプラスチックをもっとよく知ろう!」と題して、それぞれ1時間ずつ説明を行いました。このうちVECでは、高橋環境・広報部部長がプラスチックの基礎知識(種類や用途など)について解説したほか、中学一年生を対象とした出前授業を体験してもらうため、プラスチックの性質の違いを密度で見分ける実験も行われ、参加者は一時生徒に戻って、塩ビ、PPなどのプラスチック片を水、50%エタノール、飽和食塩水に浮かべ、比重の違いを確認。
一方、プラスチック循環利用協会は、プラスチックのリサイクルに関する取り組みやリサイクル手法などを解説したほか、リモネンを使って発泡スチロールを溶かしたり再生したりする実験を行って注目を集めました。
講演終了後には、参加者から「プラスチックの密度が違うのはなぜ?」「プラスチックの耐久性は?」「生徒に夢のある話をしたい。プラスチックの未来の可能性は?」など多くの質問が出され、プラスチックへの関心の高さを伺わせました。ある参加者は「初めて聞く話が多く、とても参考になった。今日の講演内容を他の教員にも伝えて、それぞれの教室で役立てられるようにしたいと思います」と話していました。
|