華やかにカラフルに。
塩ビ&デザインのコラボが生み出す新たな世界
上田安子服飾専門学校の学生が塩ビのファスナーケースをデザイン
1941年の開校以来、優れたファッションクリエイターを世に送り出してきた上田安子服飾専門学校(大阪市北区、学校法人上田学園が運営)。このほど、同校ファッション工芸デザイン学科の学生が、塩ビ業界との産学研究でファスナーケースのデザインに挑戦しました。華やかにカラフルに、若い感性との出会いで新しく生まれ変わった塩ビ製品の姿をご覧ください。 |
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上田安子服飾専門学校 |
●「塩ビものづくりコンテスト」がきっかけ
上田安子服飾専門学校と塩ビ業界の産学研究は、先ごろ塩ビ業界が「塩ビものづくりコンテスト」を実施した際、各地のデザイン専門校に作品の応募をお願いしたことが縁でスタートしたもの。その後、関西地区の塩ビ関係団体(西日本プラスチック製品加工協同組合と関西ビニール卸協同組合)の協力で、同校の先生方が塩ビ製品の加工の現場を見学するなどして交流を深める中、「塩ビ素材の新しいファッション製品を提案する」ことをテーマに、具体的な研究の内容が絞り込まれました。
●学生20名のデザインを(株)河野プラテックが製品化
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河野社長 |
研究の成果は、まず上田学園コレクションのプレタポルテ2011(6月10日・11日、大阪)での作品展示となって具体化し、塩ビシートをあしらったドレスや靴など、学生らしいアイデアが来場者に斬新な驚きを与えました。今回のファスナーケース製作はその第2弾となる取り組みで、B5サイズのケースを対象にファッション工芸デザイン学科の学生20名が図柄や配色をデザイン。素材・部品の提供から仕上げまでは、文具類などのプラスチック加工製造メーカー・(株)河野プラテック(大阪市西淀川区)が担当しています。
同社の河野修一郎社長(西日本プラスチック製品加工協同組合副理事長)の話。「うちの工場を見学された先生方が、たまたま製造中だったファスナーケースに興味を示された。ファスナーケースは一般に黒や紺などモノカラーの地味なオフィス用品だが、その分、学生にとっては自分のデザインを自由に展開できる面白さがあったと思う」
塩ビとコラボして−学生の感想
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河野プラテックを訪れたファッション
工芸デザイン学科の学生たち |
- 完成品を見て感激しました。イメージどおりにできていて、我ながらとてもカワイイと思います。
- 私たちは帽子や靴、バッグ、アクセサリーのデザインを勉強している学生ですが、今回の取り組みで、プラスチックを素材の一部に取り入れていくアイデアをもらったような気がします。
- 塩ビって面白そうな素材だなと感じました。機会があれば次はバッグに縫い込んだりして使ってみたい。
- 塩ビの加工現場を見たことがなかったので、新鮮でした。
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●自由な発想に驚き
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出来ばえに満足 |
作品が完成したのは10月のはじめ。完成後、担当教員の屋但先生に伴われて河野プラテックを訪れた学生たちは、はじめて見る自分の作品を手に、「イメージどおりにできていて感激しました」と、いずれも満足そうな表情を浮かべていました。
「プレタポルテ2011でもそうだったが、学生の作品には我々が忘れていた自由な発想があって驚かされる。今回のファスナーケースも、従来の用途である書類のファイル用だけでなく、パソコンやアイパッドのケースにも使えるというイメージでデザインしている。それと、自作の漫画やイラストを使って『自分だけのものを作る』ということを楽しんでいる。若者の嗜好がどんどん個人化のほうに向かっていると感じて、これからのモノづくりに刺激を受けた」(河野社長)
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ファスナーも中貼りの塩ビレザーもマイケース仕様 |
上田安子服飾専門学校・屋(はまや)但先生のコメント
完成したファスナーケースは、デザインに学生1人1人のテイスト、作風が出ていて、こんなにステキに仕上げてもらってみんな満足していると思います。既製概念に捕らわれない新しい意匠とか色の組み合わせに、今の女の子の好みが自然に出ているようです。そのへんに注目すると、塩ビのファッション製品を考えていく上で、業界の方にも参考になるのではないでしょうか。今の若者は感覚的に自分が受け入れられることが第一で、プラスチックでも塩ビでも自然に身の回りに取り入れています。
いつも、学生には机の上だけの勉強ではなく、出来るだけモノづくりの現場を見せたいと思っているのですが、今回のコラボを通していろいろな方々に支えられてモノづくりが行われているというプロセスを見ることができたことは、これから就職していく学生にとって非常に良い経験になったと思います。 |
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