2011年12月 No.79
 

「プラスチックは楽しい」VECの出前授業レポート

環境教育支援活動、今年も好調
─ 東京都世田谷区・喜多見中学校での授業から

 塩ビ工業・環境協会(VEC)が、環境教育支援活動の一環として2005年から取り組んでいる出前授業。今年も全国各地から「出前の注文」があいついでいます。今回はその中から、東京都の世田谷区立喜多見中学校(原田武司校長)での授業の模様をピックアップ。

●高知県、福岡県などへも「出前」

 プラスチックや環境の話をわかりやすく解き明かして、子どもたちにサイエンス・マインドを養ってもらおうというのがVECの出前授業の狙い。当初は大学生向けの授業が中心でしたが、その後、小中高校生にも対象を拡大するとともに、小学生向けの『かんきょうワークノート』など各種教材づくりにも取り組み、出前授業と教材をセットにした形で環境教育の支援活動を展開しています。
 今年は、中学理科の教師用ワークノート『調べてわかるプラスチック』を作成(大日本図書刊、協力=日本プラスチック工業連盟、(社)プラスチック処理促進協会、VEC、塩化ビニル環境対策協議会)して、全国の中学校約3000校に配布したところ、各地の学校から出前授業の要望が寄せられました。今回の世田谷区立喜多見中学校もそのひとつで、ほかにも高知県南国市の清和女子中学校、福岡市の市立壱岐丘(いきがおか)中学校、同横手中学校などで授業が行なわれています。

●科学の楽しさに、また一歩

原田先生

日、中学1年生の理科の時間(計3クラス)。生徒たちは、講師を務めたVECの一色環境広報部長からプラスチックの歴史や種類など話を聞いた後、水、塩水、50%エタノールを使って、5種類のプラスチック(塩ビ、PET、PE、PP、PS)の比重の違いを実験。溶液ごとに浮くものと沈むものを確かめて、その理由を学習したほか、自分たちで持ち寄ったプラスチック製品の種類を見分けたり、塩ビで作られた製品(塩ビ管や食品サンプル、塩ビ本など)を教えてもらったりして、生き生きとした授業風景を繰り広げました。
 生徒の一人は「身の回りにたくさんプラスチック製品があるのに知らないことばかり。硬いのや柔らかいの、水に浮くものや沈むもの、いろいろなプラスチックがあるとわかってとても面白かった」と、科学の楽しさにまた一歩近づいた様子。
 校長の原田先生は「外部の専門家から生きた知識を学べるのは、生徒にとっても現場の教師にとっても貴重な体験。これからもいろいろな分野の人を招いて出前授業を続けていきたい」と語っています。

「これは浮くかな、沈むかな?」「先生、このプラスチックは何ですか?」笑顔と真剣な眼差しが印象的でした。