2010年9月 No.74
 

鹿島建設(株)と塩化ビニル管・継手協会が
塩ビ管リサイクルで意見交換

見学の模様 (中央が鹿島建設の米谷秀子次長)

 去る5月25日の午後、大手ゼネコン鹿島建設(株)各支店の環境部門担当者らが、塩化ビニル管・継手協会のリサイクル協力会社である大水産業(株)(佐藤志郎社長、さいたま市岩槻区)を訪れて、塩ビ管リサイクルの模様を見学。塩ビ管の全国リサイクルシステムを運営する協会との間で、今後の連携の可能性などについて意見交換を行いました。

●「塩ビ管リサイクルの受け皿」として注目

 見学に参加したのは、鹿島建設安全環境部次長兼施工環境課長の米谷秀子氏ら22名。同社では現在全国の各支店単位で建設廃棄物のゼロエミッョンに取り組んでおり、その主要品目のひとつである塩ビ管についても「リサイクルの受け皿」となる施設の選定やネットワークづくりが重要なテーマとなっています。
 一方、塩化ビニル管・継手協会のリサイクルシステムは、全国75カ所の受入拠点(リサイクル協力会社、中間受入場、契約中間処理会社の3種)に持ち込まれた使用済み品を再生原料に加工し、会員会社やリサイクル協力会社がリサイクル管を製造販売する仕組みです。年間のリサイクル量はおよそ2万トン(2009年度、フィードストックリサイクルを含む)で、文字どおり「塩ビ管リサイクルの受け皿」として着実な実績を積み重ねています。
 今回の見学会は、こうした協会の塩ビ管リサイクル事業に注目した鹿島建設が、大手ゼネコンに向けて積極的な普及活動を行っている協会の申し出を受ける形で実現したものです。

●各現場のできる範囲で協会のシステムを利用

 見学の現場となった大水産業は協会のリサイクル協力会社のひとつ。使用済み品の回収から再生原料加工、リサイクル管の製造販売までを行っています。
 見学当日、鹿島建設の一行はまず大水産業本社で塩化ビニル管・継手協会の石崎総務部長、大水産業の佐藤社長らから、リサイクルシステムの概要や事業の現状などについて説明を受けた後、隣接した工場で選別工程や粉砕工程などの模様を見学。担当者の説明を聞きながら、塩ビ管の種類の違いや汚れ具合による選別方法などを熱心に確認していました。
 見学終了後に行われた意見交換の場では、参加者からリサイクル品とバージン品の価格差などについていくつか質問が出されました。

説明を聞く鹿島建設のみなさん

 また、石崎総務部長が「リサイクル材の受入方法には有価購入方式と処理委託方式の二つがあり、排出者が自分で前処理(汚れ落としや異物除去など)を行ったものは有価で受け入れる。全国の受入拠点は場所によって充実度に差があるが、鹿島建設の地域状況に合わせて、それぞれの地域で当協会のシステムの活用をご検討いただきたい」と事業への協力を依頼したのに対し、米谷次長も、「使用済み塩ビ管を有価で買い取ってリサイクル管に再生するという取り組みは、各支店の環境担当者の参考になったと思う。今後は支店ごとに、付き合いのある回収業者にできるだけ協会の受入拠点に搬入してもらうようにするなど、それぞれの現場でできる範囲内で無理なくシステムを利用する方向を考えたい」と、協会との連携の可能性を語っていました。