アジア太平洋地域での塩ビ管普及へ、APVNが講演会
VECも日本の塩ビ管リサイクル最新事情を報告/フィリピン、マニラ市
APVN(アジア太平洋塩ビネットワーク)の講演会が、去る2月12、13日の2日間、フィリピンのセブ島とマニラで開催されました。日本からは塩ビ工業・環境協会(VEC)がマニラでの会合に参加して「日本の塩ビ管リサイクル事情」をテーマに講演を行い、参加者の関心を集めました。 |
●旺盛な塩ビ管需要とその課題
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マニラでの講演風景(堀海外WGリーダー) |
APVNは、アジア太平洋地域の塩ビ関連会社や団体をメンバーに、環境問題を通して塩ビについての正しい情報の普及活動を行っている組織です。VECもメンバーの一員としてその活動を積極的に支援しています。近年、中国、インドを中心にアジア太平洋地域では、塩ビ管需要が大きく伸びつつあります。その一方で、適正な製品規格の整備が遅れていることから、悪質なメーカーによる粗悪品が出回って、割れたり継手が外れたりといった事故や、施工技術や商品知識が乏しく、塩ビ管のイメージを損なうような事例が増えています。
こうした状況を改善するには、継手を含め製品規格の整備を進め、これに基づく高品質の製品を製造することが基本となりますが、同時に塩ビ管の有用性に関するPR、さらにはメーカーや工事関係者等の製品知識の蓄積も欠かせません。耐久性に優れ軽量で施工しやすい塩ビ管は、しっかりした規格に基づく製品であれば用途も多彩で、リサイクルも含めて安心して使える建材であることをアピールしていくことが、アジア太平洋地域の塩ビ管市場を育成していく上で喫緊のテーマとなっているのです。
●塩ビ管回収システムの構築方法などで熱心な質疑
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VEC講演資料より |
今回VECが行った講演は、フィリピンのAPVNメンバー会社からの依頼に対応したもので、VECでは塩化ビニル管・継手協会の協力を得て講演資料を作成し、セブ島での会議にその資料を提供する一方、マニラ市内での会合にはVECの堀海外WGリーダー(APVN代表理事)が参加して、日本の塩ビ管リサイクルに関する活動状況を紹介。会場には、水道局などのフィリピン政府関係者や塩ビ管メーカー、建築関係者、環境NGOなど50人以上が参加して、熱心な聴講風景を繰り広げました。
日本では、1998年以降、塩化ビニル管・継手協会が全国的なリサイクルシステム構築に取り組み、建物の解体現場から出る使用済み塩ビ管の「パイプtoパイプ」リサイクルを推進しています。
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参加者からは活発な質問が |
講演後参加者からは、フィリピンにおける使用済み塩ビ管回収システムの構築方法についてアドバイスを求める発言や、塩ビ管のみならず、塩ビの環境貢献などについて幅広い質問が寄せられ、意識の高さを窺わせました。規格の大事さ、塩ビ管の用途の多彩さも改めて認識された様子で、VECでは「今回の会議は多くの関係者と塩ビに関する正しい情報を共有する貴重な機会になった。我々はAPVNの中心メンバーとして、今後も塩ビ普及活動を通じアジア太平洋地域の社会発展を積極的に支援していく」としています。 |