2007年12月 No.63
 

塩ビ建材の「エコマーク認定基準」が制定されました

リサイクル塩ビ管など6製品。塩ビの耐久性、リサイクル性を評価

 リサイクル塩ビ管(発泡三層管・三層管)など塩ビが使用されている建材6製品について、新たにエコマーク認定基準が制定されました。耐久性やリサイクル性のよさなど、塩ビの環境性能が総合的に評価されたもので、マークを運営する(財)日本環境協会のエコマーク事務局では「基準の制定を機に積極的にマークを取得してほしい」と呼びかけています。

●ビニル床材など6製品も追加予定

新たに認定基準が定められた塩ビ製品
・壁紙  ・ルーフィング  ・プラスチックデッキ材
・木材・プラスチック再生複合材  ・雨水貯留槽
・排水・通気用硬質ポリ塩化ビニル管
パブリックコメント中の製品(平成19年11月現在)
・ビニル系床材  ・窓サッシ・ドアサッシ(終了)
・階段滑り止め  ・フリーアクセスフロア
・アコーディオンドア  ・住宅用浴室ユニット(終了)

  「エコマーク」は、わが国の代表的な環境ラベルのひとつ。製品のライフサイクルなどを考慮して定められる認定基準に適合し、「環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品」に使用・表示を認めるもので、これにより、消費者の環境を意識した商品選択や企業の環境改善努力を促すとともに、国や自治体によるグリーン調達の目安としても活用し、持続可能な社会の形成を図っていくことを目的としています。 
  認定基準は、定期的に対象製品も含めて見直しが行われることになっており、今回は2002年4月に定められた基準の見直しにより、リサイクル塩ビ管など6製品について新たな基準が定められたもの(他にビニル系床材などパブリックコメント中の6製品も追加予定。表参照)。 
  基準の内容は製品ごとに異なります。使用後70%以上回収され、そのうち70%以上がマテリアルリサイクルされることが基本的な要件となりますが、建築分野では、これに加えて塩ビ建材が20年以上の長期にわたって使用されることを考慮して製品ごとに基準が制定されており、塩ビの耐久性やリサイクル性の高さが評価のポイントとなっています。 
  塩ビ建材のエコマークについては、既にタイルカーペットの認定基準が定められていますが(2005年9月制定)、今回幅広い塩ビ製品が追加されたことで、各分野における塩ビ建材の採用に弾みがつくことが期待されます(認定基準の詳細はエコマーク事務局のホームページ参照。http://www.ecomark.jp/)。

工事発注者が選びやすい状況に

(財)日本環境協会エコマーク事務局 総務・契約監査課リーダー 佐野 裕隆 氏

 エコマークは、環境について頑張っている製品を選ぶ目安になるものだが、建材の場合、工事発注者の側から、エコマーク商品が少ないという指摘が以前から出されていた。我々としては、建材各分野に少なくとも2、3点ずつはエコマーク商品をそろえて、発注者が選びやすい状況を形成する必要があると考えており、塩ビ業界にも、今回の認定基準制定を機に、エコマークの意味や価値、自社の経営戦略などを踏まえた上で、積極的にマークを取得して環境保全の推進に役立ててもらえれば、と考えている。 
  エコ製品のさらなる普及を進めていく上では、エコマークを取得した企業あるいはエコマーク商品を選択した消費者や自治体双方のメリットになるような動機付けの対策が必要だ。特に、エコマークを取ろうという企業の意欲を高めるには、採用した側が「品質や耐久性にも優れていて使ってよかった」と思えるような環境側面以外の経済的メリットなども考慮していかなければならない。また、マークの信用性、意義についてもPRを強化する必要があり、11月に開催された「第29回Japan Home &Building Show 2007」では、エコマーク認定商品の展示を行って、企業の製品PRの場として活用してもらった。今後も、メーカーと一緒に汗をかきながら、エコ製品の普及に取組んでいきたい。