2006年6月 No.57
 
すし型USBメモリー「SushiDisk」ヒットの秘密

塩ビ食品サンプルとIT機器がドッキング。インパクトの強さで大ブレーク

 

 お寿司にUSBメモリー??いったいナニそれ、なんて言っているようでは時代に遅れます。塩ビのデザイン性がまた新たなエンターテインメントの世界を可能にしたゾ。

●個性を求める若者の心にピタリ

 
 塩ビの食品サンプルとUSB(Universal Serial Bus)メモリーを組み合わせたIT商品が、いま外国人や若者の間で大ヒットしています。開発したのは、エレクトロニクス関連製品の企画、開発、販売を行う(株)ソリッドアライアンス(神奈川県横浜市:河原邦博社長)。4年前に設立したばかりのフレッシュなIT企業が、その若さを力に生み出したアイデア商品です。同社のアシスタントマネージャー・内藤輝さんに開発の経緯を聞いてみると
 「それは唐突な出会いだった。当社の副社長が浅草かっぱ橋にある食品サンプルメーカー・佐藤サンプルのショールームの前を通りかがったとき、これにUSBメモリーをつけてみたらどうだろう、と突然閃いた。すぐにサンプルを買い求めて、自分で穴を開けてUSBメモリーを取り付けてみたら、あまりに馬鹿げていて見た目のインパクトもすごかった」。
 というわけで、一部社員の反対も押し切って開発を断行。佐藤サンプルの協力を得て、2004年10月、すし型USBメモリー「SushiDisk」を発売したところ、予想に反して外国人だけでなく日本人にまで話題を呼び、爆発的なブームに。いまや寿司ネタだけで15種類、他にもナポリタンにタコヤキ、エビフライとバリエーションは広がる一方で、海外に赴任するサラリーマンが挨拶がわりのお土産に持っていくケースも多いとか。
 「もともと食品サンプルのキーホルダーなどは外国人に人気だったが、それにUSBメモリーを組み合わせたマサカのドッキングが、彼らの目には、ここまでニッポン的でインパクトが強くエンターテインメント性にあふれた商品はない、と写るらしい。それと、機能性重視で無駄のないのが身上だったIT機器に個性が求められてきたということもある。ひとつひとつ手作りされる食品サンプルは、自分だけのものをもちたいという若者の欲求に適っている」と、人気の背景を分析する内藤さん。
 その個性を可能にしたのは、言うまでもなく着色、デザイン、加工がしやすいという塩ビの特性。やはり「塩ビの自由さがあったからこその商品」というわけです。
 話題の「SushiDisk」、価格は容量(256MBと1GB)によって異なりますが、まぐろ寿司の場合、256MBで 7980円。ヨドバシカメラ、ビックカメラ、東急ハンズなどのほか、成田空港などでも取扱中。お好みのネタをお選びあれ(http://www.solidalliance.com)。