オフィスやデパートなどのフロアを彩るタイルカーペットは、現代の生活になくてはならない建設資材のひとつですが、表面の繊維層に塩ビのバッキング層(裏打ち層)を貼り合わせた構造となっているため、リサイクルしにくいのが難点。そのまま破砕すると糸が絡むなどの問題もあって、これまでは使用済み製品の殆どが埋立処分されてきました。
この再生困難なタイルカーペットを「切削加工」と呼ばれるユニークな手法を用いてリサイクルしているのがリファインバース(株)です。
「切削加工」とは、文字どおり、削り取ること。微細な刃がついた円筒体を回転させて、繊維層から塩ビバッキング層を分離すると同時に0.5mmサイズの粉末(再生塩ビコンパウンド)に加工する技術で、刃の形状や回転速度、投入速度を調整して一定の粒度の再生原料を安定的に生産することができます。製造されたコンパウンドは、再びタイルカーペットのバッキング材に利用されます。
“砕かずに削る”という発想の転換が、使用済みタイルカーペットの再資源化に大きく道を開いたといえます。
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