確認された、可塑剤(DEHP)の安全性
日本におけるDEHPのリスク論議に終止符を打つ重要報告相次ぐ
可塑剤工業会 技術顧問 丸山寛茂氏
DEHPの安全性については、これまで部分的なリスク評価がいろいろ行われてきたが、今回の評価結果は、中立的な第三者機関によって総合的かつ科学的に安全性が確定されたという点で、まことに大きな意味を持つ。また、海外ではなく日本で採取された独自のデータを使っていることも重要だ。これで、日本国内のDEHP問題に日本の科学者自らが初めて回答を示したことになる。むろん、この回答は国際的にも十分通用する精度を有する。 可塑剤工業会では、長年、DEHPの安全性、有用性を訴え続けてきたが、一部の非科学的な誤解、感情的な反応によって、その声はなかなか聞き入れられなかった。一連の報告は、DEHPの安全性について疑問を感じていた関連業界や一般の人々の不安を一掃するに足る成果であると信じる。ユーザー企業からも「これで安心して使える」といった反響が多数届いている。 今回の研究成果により、発ガン性、環境ホルモン作用、精巣毒性および生殖毒性を含めて、DEHPの安全性に関する主な疑念は一通り払拭されたことになるが、当会では今後ともDEHPの安全性と有用性確保に向けて調査・研究に取りんでいく考えだ。