吉川リサイクルセンターの年間処理量は約67,000トン。その90%が建設系廃棄物で、新築現場で予め分別される一部の建材(塩ビ管など)を除けば、大半は高度な選別が必要な混合廃棄物の状態で搬入されます。これらは、ダンプアップヤードでの粗選別に始まり、手選別コンベア、各種機械選別装置などを結んだラインにより高精度で分別され、有価物または各種の再資源化原料としてそれぞれ専門のルートでリサイクルされていますが(別表参照)、それらのルートに乗せることのできない、これまでは焼却や埋立しか処分方法のなかった廃プラスチック類や木くず・紙くず類は、最新鋭のRPF製造プラントにおいて、原料として再資源化されることとなります。
RPFは、石炭と同じ発熱量を有しながら価格が安く、硫黄分、窒素分などの環境規制物質が少ない、など多くの利点があるため、石炭・コークス類に代わる燃料として、製紙用ボイラーやセメント原燃料、バイオマス発電などでの利用が進んでいます。
吉川リサイクルセンターのRPF製造プラントは、処理能力1日37トン。技術的には、破砕工程を「廃プラスチック類・紙くず・繊維くず系統」と「木くず系統」の2系統に分け、それぞれの物性に適した破砕処理を行っている点に独自の工夫が見られます。新和環境の近藤亮介副社長の説明。
「一般にRPFは廃プラスチックに、紙を混ぜて作られるが、当社の製品は、さらに、木材チップなどにリサイクルできない木くず を混ぜるのが製品の特徴になっている。これは建設混合廃棄物のリサイクル率をできるだけ高めたいためだが、もうひとつ、木くずを混ぜることでカロリーを調整できるメリットもある。現在、当社のRPFの大半は製紙会社のボイラー燃料として利用されており、熱量も石炭やコークス並み(6,000〜8,000kcal)に調整しなければならない。プラスチックだけだと10,000kcalを超えてしまう」
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