食の多様化が進む中、最近はレストランのメニューも和洋中華から、エスニック、ファーストフードまでボーダレス化の一途。これに伴って、食品サンプルにも日々新たな技術の追及が求められています。
「最近はミズナなどの新しい素材を使った料理も多いし、昔からある料理も中身は少しずつ変わってきている。てんぷらの衣ひとつを取っても、より現代的なリアルさが要求されるようになっている。新しい食材はこれからもまだいろいろ出てくるだろうが、我々はすべての食材の制覇をめざして今後とも技術改良を重ねていきたい。もちろん、そうした取り組みを進める上で塩ビは欠かせない原料だ」(清水部長)
一方、食品サンプルの精巧な技術は近年様々な造形表現に応用されるようになっています。博物館所蔵の化石や文化財などのレプリカから、テレビの時代劇や舞台演劇用の特殊な小道具類、立体的な三次元広告などまで、同社が手がける作品は文字どおり多種多様。最近話題になった人気映画スパイダーマンのディスプレイも同社の製作となるものです。
単なる食品サンプルという領域を超えて造形美術、カルチャー・エクスプレッションの分野にまで広がりを見せる岩崎の挑戦。それは同時に塩ビのデザイン性の究極を追求する試みでもあります(創業者・岩崎瀧三氏生誕の地・岐阜県郡上市八幡町橋本町には食品サンプル創作館「さんぷる工房」があります。食品サンプルづくりを体験する事が出来ます。興味のある方はぜひご来訪下さい。有料、要予約。TEL. 0575−67−1870)
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