2003年6月 No.45
 

 排水用再生塩ビ管がグリーン購入法の特定調達品目に決定

  2月28日閣議決定。製品の環境性能、業界のリサイクル活動の成果を高く評価

    排水用再生塩ビ管が「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」(グリーン購入法)の調達指定品目(公共資材)に追加されました(平成15年2月28日閣議決定)。再生塩ビ管の環境性能と、塩化ビニル管・継手協会を中心に進められるリサイクル事業が高く評価されたもので、法制度の後押しを受けることにより再生塩ビ管の普及が大きく前進するものと予想されます。  

 

再生塩ビ管3製品

 平成13年4月に施行されたグリーン購入法は、国等の機関(国会、裁判所、省庁、独立行政法人、特殊法人)が製品やサービスを購入する際、環境負荷ができるだけ少ないものを選んで購入すること(グリーン購入)を義務付ける法律です。また、国だけでなく地方公共団体についても、国の方針に基づいてグリーン調達を推進する努力義務が定められています。
 再生塩ビ管は、平成10年3月の排水用無圧REP管を皮切りに、建物排水用リサイクル発泡三層管(平成11年1月)、下水道用リサイクル三層管(平成12年9月)が塩化ビニル管・継手協会によってあいついで規格化され、平成13年にはグリーン購入法の対象品目として初エントリー。その後、ロングリスト(特定調達品目候補群)に載せられて、公共工事における使用実績、環境負荷低減効果、安全性、耐久性、適正コストなどについて国の評価・検討作業が進められてきました。
 この間、同協会を中心とした使用済み塩ビ管のリサイクル事業も順調に進展し、現在では、全国53拠点(中間受入場32ヵ所、リサイクル協力会社16社/21拠点)からなるリサイクルシステムの稼働により、リサイクル率はほぼ50%にまで達しています。
 今回の追加指定は、再生塩ビ管の環境性能の良さはもちろん、業界としてリサイクルシステムの整備を積極的に進めてきたことが高く評価されたもので、塩化ビニル管・継手協会では「我々の取り組みを国として支援していこうという意味合いが込められている」と、国の方針を歓迎しています。

 

再生塩ビ管のすぐれた環境特性

 塩ビ管は、◎腐食せず耐久性がある(耐用年数50年以上)、◎強度があり、加工性、施工性がよい、◎安全性が高い(難燃性、電気絶縁性)、◎価格が安い、といった様々な特長を備えています。
 また、環境面でも、製造時に省エネルギーで炭酸ガスの発生量も少なく、もともと環境負荷の小さな製品と言えます。しかも再生塩ビ管の場合、原料が再生品であることからLCI(ライフサイクル・インベントリー)的にバージン原料よりエネルギー消費において優れる上、埋立処分量の減少も可能となるため、より環境に優しい製品といえます。

 

 

今後のリサイクル進展に大きな期待

 グリーン購入法の対象となる国等の各機関は、毎年度ごとに特定調達品目の具体的な目標を定め、年度終了後、調達実績の概要を公表することが義務づけられています。
 環境省が今年3月にまとめたグリーン購入法に基づく調達実績の調査結果によれば、平成14年度の調達率は大半の品目で90%前後と高い水準に達しており、こうした国の姿勢を背景に、地方公共団体でも、県や政令指定都市などの自治体を中心に、グリーン購入を加速させる動きを見せています。
 再生塩ビ管も、既に愛知県のグリーン購入物品「あいくる材」などに指定されていますが、今回の追加指定によって、今後こうした動きが大幅に進展するものと期待が高まっています。