■回収〜再使用までの技術をどう組み立てるか(清家剛委員長)
建材の中で、一度溶かせば元に戻るという物性を持った素材は、鉄とプラスチックぐらいしかない。そういう意味で、サッシからサッシにリサイクルしようという塩ビサッシ業界の試みは非常に重要な取り組みだと言える。
今回の調査事業では、実際の解体現場からどうやって使用済みサッシを回収し、それをどれくらいの率でサッシに戻せるかを把握することが基本的なテーマとなっているが、これはリサイクルシステムを構築する上で最も大切な点だと思う。建築で言うリサイクル技術とは、解体〜分別〜回収〜再使用までをセットにした技術を指すのであって、研究室レベルで100%リサイクルできたというだけでは、リサイクル技術が完成したとは言えない。一連の技術をセットとしてどう組み立てるかが何よりも重要なポイントである。
幸い、塩ビサッシの場合は、使用済み製品の廃棄が本格化するまで数年の時間的猶予がある。この猶予期間中に、静脈部分のシステムをきちんと整備しておかなければならないが、これはサッシメーカーだけではできないことで、解体業者や中間処理業者と連携して実際にシステムを動かしてみることが必要だ。
また、塩ビサッシが今後さらに厳しい規制を受けることを想定して、そうした事態に備える意味でも、実際の解体現場から使用済み製品を回収してリサイクルするシステムを完成しておくことは、塩ビサッシ業界にとって不可欠な対応策と言えるだろう。
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