TTRシステムの処理能力は年間3,000トン。処理工程は上の図に示したとおり、粗粉砕した原料をいったんタンクに貯蔵した後、約200℃で減容(溶融)し、最終的に1mm以下まで微粉砕します。これを加熱してローラーに掛け、ガラスシートと貼り合わせたのがリサイクルシートと呼ばれる再生品で、タイルカーペットの製造ラインに戻されてバッキング材として再利用されます。ガラスシートと圧着するのは製品の強度を高めるためです。
TTRシステムの主な特徴を以下にまとめてみました。
- 廃材から繊維部分を分離することなく、100%再利用が可能であること
- 製品へのリサイクル還元率(リサイクル材の使用割合)が重量比20〜25%と高いこと
- 従来品に比べて同等以上の高品質が得られること
- 繰り返し、リサイクルが可能
一方、大山社長は今後の課題として用途開発の問題を指摘しています。
「当面は《カーペット to カーペット》でリサイクルを進めていくが、今後、回収量が増加した場合に備えて他にどんな用途があるかを東リ本社で検討してもらっている。また、公共施設への優先的利用もリサイクル促進の重要なカギであり、現在グリーン購入の対象品目として申請中だ」
(財)大阪工研協会の第51回工業技術賞(平成13年度)、今年春の関西経済連合会おおさか環境賞受賞など、TTRシステムに対する社会的な評価は着実に高まりつつあります。
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