現在農ビのリサイクル率は、平成11年度の実績で51%。平成11年7月からは、農ビリサイクル促進協会(NAC)もスタートし、自治体や農協などで設立する適正処理協議会(以下、協議会)と連携して、将来的には100%リサイクルを目指して活動を展開しています。
一般に、回収された使用済み農ビは、処理を委託する産廃業者のリサイクル施設で再生原料に加工されますが、常設型の工場を経済的に運営していくためには最低でも年間5,000トンの使用済み農ビが必要と言われるのに対して、それだけの量を確保できる県はごく少なく、現状では四国や九州など施設園芸の大産地を除くと、ほとんどの県が2,000トン以下にとどまっています。
太洋興業の「アグリサイクルシステム」は、こうした2,000トン未満の少量処理に対応する設備として開発されたもので、システム自体が集積場所に出動して、その場で粉砕、洗浄、梱包(フレコン詰め)までを完了できるため、常設の処理拠点を持たない少量排出県からは、農ビリサイクルの有力な決め手として期待を集めています。
「大産地だけでなく、小さなところの津々浦々まで陽が差さないと、この先農ビのリサイクルを大きく前進させることはできない。循環型社会を完成する上で『アグリサイクルシステム』の効果は大きく、稼働以来、全国から問い合わせが来ている」(農材新規事業推進部の小室悟課長)。
|