2001年3月 No.36
 

 塩ビ管・継手のリサイクル/新潟県の中間受入施設の稼動状況

  塩化ビニル管・継手協会、管工事組合(回収)、NTTロジスコ(物流)、
   照和樹脂(再生)の連携で順調な進捗状況

    塩ビ管・継手リサイクル事業の強化策に沿って、現在、新潟、長野、群馬などの各県で使用済み製品(リサイクル材)の中間受入施設の整備が進んでいます。昨年10月には、全国にさきがけて新潟県の中間受入施設が稼動。モデルケースとしての回収作業がスタートしています。  

 

管工事組合の協力が決め手に

  新潟県の中間受入施設は、NTTの物流部門である(株)NTTロジスコの新潟営業所構内(新潟市美咲町1−23−66)に設けられています。
 リサイクル材の受入には、新潟市管工事業協同組合をはじめ9つの管工事組合が参画しており、その組織的な協力を得たことが事業を進める上で重要な決め手となっています。
 「工事現場でも何とか塩ビ管を再利用できないか困っていたところだったので、上部団体の県連合会を通じて塩化ビニル管・継手協会から協力要請があった時は、組合員86社もすぐに賛同してくれた」(新潟市管工事業協同組合・中村俊一事務局長)
 受入〜再生までの流れは次のとおり。各管工事組合の手で県内(現時点では新潟市を中心に半径約60キロ以内)の建設現場から集められたリサイクル材は、運搬用のカゴパレットに一旦ストックされた後、日時を決めて中間受入施設に受入れます。NTTロジスコでは、回収量が一定量に達した時点で、埼玉県吉川市にあるリサイクル協力会社の?照和樹脂に搬入し、同社の工場で再生塩ビ管に加工されます。なお、リサイクル材は有価物として照和樹脂が買い取る形になっています。
 リサイクル材の品質は、汚れの程度などからA(そのままリサイクルできる)〜D(リサイクル不可能)の4ランクに分別されますが、10月に行われた第1回目の回収から「回を重ねるごとに品質がグレードアップし、量も増えている」(NTTロジスコ)とのことです。1回の回収で集まるリサイクル材の量はほぼ10トントラック3〜4台分。輸送効率を上げるために、「太いパイプの中に細いパイプを入れる」などの工夫も試みられています。

 

全国展開のモデルケース

  新潟県における回収事業は、経済産業省の省資源推進政策モデル事業の受託事業であり、事業の推進に当たっては、学識経験者、新潟県管工事組合連合会、NTTロジスコ、照和樹脂、経済産業省化学課および新潟県環境リサイクル担当などで構成する専門委員会(事務局は協会)により、産官学の協議体制を敷いて推進しています。
 「新潟県での取り組みは中間受入施設の全国展開を左右する重要なモデルケース。ここでシステムの在り方やリサイクル材の品質の状況、物流コストの実態などをチェックした上で、行政の協力を得ながら全国展開を進めていく」(塩化ビニル管・継手協会)。
 協会では今後、管工事組合のほか建設業組合などの協力も取り付けて受入ルートを広げていく計画ですが、現在のところ新潟県での事業の進捗状況は極めて順調と言えます。