青森RERのサーマルリサイクルセンターは、塩ビを含む廃プラスチック(シュレッダーダスト)や汚泥などを中心とした産業廃棄物の処理施設です。その名前のとおり、廃棄物の熱エネルギーを電力として回収、再利用することを目的とした最新鋭のリサイクル施設で、発電だけでなく鉄、アルミ、銅などの金属、灰(溶融スラグ)などの再利用でも注目すべき取り組みが進められています。
その高度なリサイクル事業を可能にしているのが、(株)荏原製作所(本社=東京都大田区)が開発した流動床式ガス化溶融システムです。このシステムには、
- 1,350℃の高温燃焼でダイオキシンを完全分解できる
- 灰を溶融スラグ化しリサイクルすることで最終処分場(埋立地)の延命化が図られる
- 鉄、銅、アルミなどの有価金属を未酸化状態で回収しリサイクルできる
- 蒸気発生量が多く自己消費電力も少ないため効率的発電が可能
- 従来より少ない空気で運転できるため、排ガス量が少なく、設備をコンパクトにすることができる
などさまざまな特長があり、平成10年には「適切にごみ処理を行うことができる技術であると認められる」とする(財)廃棄物研究財団の技術評価書を受領。既に全国で8件の受注実績があり、自治体(山形県酒田市、埼玉県川口市など)の一般都市ごみや産業廃棄物の処理に役立つほか、スイスのABB ALSTOM社(事業用発電設備の世界最大手)などに対する技術供与を通じて、その性能は海外でも評価されています。
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