開発に当たってJECTECでは、平成10年度に脱塩化水素実験などの基礎研究を実施。翌11年度には、この基礎研究の結果をベースに、塩ビ電線被覆材の最適脱塩化水素条件と造粒条件などを把握するため、NKK京浜製鉄所に試験を外注して2回にわたって高炉投入実験を行いました。
このうち、年間1万2,000トン処理を想定した1回目の実験では、脱塩化水素の塩ビ電線被覆材を1時間当たり1〜1.5トンの量で5時間連続投入し、投入前後において銑鉄、スラグ、排水などの分析を行いましたが変化は見られず、2回目に行った2万トン処理想定の投入実験でも全く問題なく高炉原料として電線被覆材を使用できるとの結果が得られています。
このほかJECTECでは、高炉原料化に備えて、電線被覆材から銅を0.2%以下まで連続除去できる日本最大級の一貫システム(処理能力1時間当たり約1トン)も開発しており、これらの技術の総合により電線被覆材のリサイクルが加速すれば、現在埋立処理されている廃電線被覆材の有効利用に大きな可能性が開かれることとなります。
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