12月13日の講演会(会場=東京都千代田区・麹町会館)は、資源環境技術総合研究所の水野次長がISO
14000シリーズのうち14031として1999年11月15日に発効した環境パフォーマンス評価(EPE)について概要を説明したもの。
EPEとは、企業活動がどれだけ環境に負荷を与えているか、その負荷がどれだけ小さくなったかを評価する手法のことです。例えば、資源やエネルギーの使用量、環境負荷物質の排出量などを調査し、あらかじめ設定した目標値と比較して評価する、など。この手法は、資源採掘業、運送業、製造業、リサイクル業などどのような業種であっても適用可能で、企業・事業所単位で評価が行われます。
講演の中で水野次長は、「EPEはISOの認証を必要としない企業の自主的な取り組み事項(ガイドライン)であり、強制力を持つものではない。しかし、その評価データは、今後企業に提出が求められるようになるであろう環境報告書の基準として企業活動に重要な影響を与えることが予想される」として、EPEおよびその外部報告のための環境報告書が、企業と一般社会(利害関係者)のコミュニケーションを活性化する上で大きな役割を果たすとの認識を示しました。
環境報告書については、ISOの中ではまだ正式な標準化は行われていませんが、水野次長の話では、「今年の6月にストックホルムで開かれるISO総会/TC207会議で議論しようという計画」になっており、この議論の結果からISOとしての環境報告書についての考え方が煮詰まっていくものと予想されます。
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