塩ビ窓枠のリサイクルを進める上でまず問題となるのは、回収した窓枠をどう再利用するかという用途開発の問題です。塩ビ窓枠の場合、同じ硬質塩ビ製品である塩ビ管に再生することも技術的には十分に可能ですが、循環型社会の本来の姿という意味では“窓枠から窓枠へ”のマテリアルリサイクルが理想の形と言えます。
このため、VEC、プラスチックサッシ工業会、日本サッシ協会の3者は、使用済みの窓枠を解体した後、樹脂部分を粉砕、ペレット化し、バージンレジンを加えて再び塩ビ窓枠に加工するという方法を検討しており、既に実験によってその可能性も確認されています。塩ビ窓枠は30年経っても表面だけしか劣化しないため、新しいレジンを加えれば同じ窓枠として再生することができます。
また、微細な不純物が混入している場合などに備えて、二層押出し成形する製品などでは、一層目にバージン製品、二層目にリサイクル材を使うという研究も進めており、その製品も完成しています。このほか、窓枠の部材(ガラス押さえ)などに利用する方法も一部実施されています。
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