塩ビ管・継手リサイクル協力会社のプロフィール《シリーズ第1回》
再生塩ビ管の製造に取り組む関東・九州地区のリサイクル拠点4社
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再生管(無圧排水用途)の協会規格も決まり、目標達成に向けて順調な進展を見せる塩ビ管・継手のリサイクル事業。その基盤を支えるのが、各地の現場で実際に塩ビ管の再生利用に取り組む協力会社(リサイクル拠点)のネットワークです。その数は、現在11社。この中には、再生原料(粉砕品、ペレット)だけを製造する会社と、原料から再生管まで一貫生産を行っている会社の2種類がありますが、今回はまず、再生管の製造まで一貫生産に取り組む4社について、その横顔をご紹介します。リサイクルにかける各社の意気込みをご覧ください。 |
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■(株)照和樹脂
33年の実績に裏付けられた品質への自信
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【代 表 者】北田 光哲
【設 立】昭和41年4月
【所 在 地】埼玉県吉川市関新田2―20―6
【電 話】0489(82)8251
【事 業 概要】塩ビ管・継手リサイクルの協力企業で構成する協力会の会長会社。塩ビだけでなく、幅広い分野で廃プラスチックの再生利用に取り組んでいます。工場は三郷市、同市南蓮沼、吉川市の県内3カ所にあり、塩ビ管については主に三郷工場で原料、グループ企業・滑ロ昌の蓮沼工場で原料と再生管の製造が行われている。月産約300トン。
【北田社長のお話】
「大切な資源を何とか再利用できないか」という気持ちでプラスチックのリサイクルに関わるようになったが、ようやく時代がこの仕事を認知してくれるようになったと感じる。
塩ビ管業界のリサイクル事業がスタートしてから、塩化ビニル管・継手協会(以下「協会」)のPR効果もあって新たにパイプを持ち込んでくるところも出てきた。中には品質面で問題のあるものも混ざっているが、ともかく我々の環境への貢献は既に始まっている。次は吐け口をどうするかだ。
今回決まった協会規格も吐け口の拡大に有効だと思うが、行政も建前だけでなく、まず公的な施設に再生管を採用することで社会を引っ張っていくべきだと思う。また、回収の面では、自治体と協会が協力して、中間集積場を整備するなどの対策に取り組んでもらいたい。
塩ビほど加工性が優れ、単価の安い樹脂はない。将来も塩ビを越えるものは出てこないだろうと確信するが、それだけに「塩ビ管は絶対に巷に転がさない」「パイプはパイプにリサイクルする」という姿勢で環境問題に取り組むことが、これからは極めて重要になると思う。
現在のリサイクル業界の経営は決して楽ではないが、私には、「我々の活動は決して間違っていない」という信念がある。また、33年に及ぶ当社の実績からも、再生塩ビ管の品質には自信を持っている。今後、塩ビ管・継手リサイクル協力会の会長として微力であるが、リサイクル協力会社の力を結集し、循環型社会の構築に向けて、努力する所存である。 |
■ 大水産業(株)
再生管の物性追求にかける真摯な姿勢
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【代 表 者】佐藤 志郎
【設 立】昭和50年1月
【所 在 地】埼玉県浦和市大間木1743
【電 話】048(873)8121
【事 業 概要】以前にも本誌にご登場いただいた再生塩ビ管メーカー。同社の工場は浦和市と茨城県八郷町の2カ所にあり、浦和工場で粉砕された原料を、八郷工場でペレット〜再生管に加工しています。月産約200トン。同社の製品は、既に浦和市や蕨市で公共下水道の取付管などに採用されており、再生品の行政利用の道に突破口を開いたという点で、貴重な実績を挙げています。
【佐藤社長のお話】
今回のリサイクル事業のスタートで、これまで各地の再生管メーカーが個別に取り組んできた仕事を、塩ビ管業界と一緒にやっていけるようになった。塩ビ管業界が我々の仕事を理解して、やっと本気になって乗り出してくれたことに喜びを感じる。
我々が協会に期待する最大の役割は、再生管の需要の出口を広げるための活動だ。その意味では、今回排水管用途の協会規格が決まったことにより、一定の道が敷かれたことになる。規格が裏付けになって、一般住宅だけでなく、学校をはじめとする公共施設の排水管に使ってもらえれば、再生管の需要は着実に広がっていくと思う。
また、再生管の需要を拡大するには、バージン製品との棲み分けも大切だ。塩ビ管の用途を細かくチェックして、再生管に適した用途を整理してもらえれば、我々も余計な手間を省くことができる。
当社がここまでやってこられたのは、将来環境の時代がくることを早くから予感して、険しい道を開拓してきた現会長(佐藤一郎氏)の情熱によるところが大きい。再生品といえども、可能な限りいいものをつくろうとして仕事に取り組んできた物性追求の姿勢が、今になって力になっている。 |
■ 第二化学(株)
必要不可欠な塩ビは100%リサイクル
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【代 表 者】山本 善雄
【設 立】昭和42年5月
【所 在 地】千葉県流山市西初石5―32―4
【電 話】0471(59)2131
【事 業 概要】約30年間、塩ビの再生一筋という同社が、再生管の製造にまで手を広げたのは、20年前から。その理由は「塩ビ管が最もリサイクルに適しているからだ」といいます。現在は、本社に隣接した工場で、塩ビペレットと再生管の製造を行っており、生産量は月産約250トン。
【山本社長のお話】
塩ビ管業界のリサイクル事業に参加を呼びかけられた時は、業界が本気でやる気なのかどうかという不安もあったが、一方で非常にうれしくも感じた。こうして塩ビ管業界と再生業者が同じテーブルに着けるようになったことだけでも大きな進歩だと思う。
塩ビ管のリサイクルで最も重要なのは出口をどう広げるかだ。再生管の質は昔に比べてはるかによくなっているのに、行政を含めて、国民全体に再生品を使うことの義務感がない。これは地球環境に優しいことをやるかやらないか、自覚の問題だ。特に行政は、使わないまでもきちんとした制度の中で再生管を認知してほしい。行政が認知してくれれば、民間にはすぐに広まる。協会規格は、再生管のレベルを一定以上に維持するのに有効だと思うが、同時に宣伝も大切だ。この点については協会のPRに期待したい。
塩ビは社会に必要不可欠なものだが、それだけに早く塩ビだけはリサイクル100%という体制を作らねばならない。価格面で苦しい事情もあるが、最近では「我々がやらなければ誰がやる、うちが潰れたら250トンの処理をどうする」という気持ちが強くなった。
バージン管メーカー、協会、再生管メーカーの三位一体で、共存共栄していく道を探っていきたい。 |
■ 九州ビニール工業(株)
九州地区で唯一の塩ビ管リサイクル拠点
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【代 表 者】柳 在春
【設 立】昭和41年7月
【所 在 地】大阪府東大阪市菱江2―17―8
【電 話】0729(64)8066
【事 業 概要】同社は、九州地区の塩ビリサイクルを目的に設立された会社で、九州各県から回収した使用済み塩ビ管を、佐賀県にある九州工場で再生管に加工しています。塩ビ管・継手リサイクル事業の九州地区唯一の拠点。生産量は月産約150トン。
【柳社長のお話】
企業が工場から出るロスを再利用するのは真の意味のリサイクルではない。現在、道端に転がっているものや、埋め立てられているものをどう再利用するか。これを企業責任として考えるのがリサイクルだと思う。我々中小の再生メーカーは、その日その日の仕事を一生懸命こなしていくしかない。大局的な見地でリサイクルに取り組むのは大手塩ビ管メーカーの役割であって、今回のリサイクル事業のスタートは、大手がやっとその企業責任に目覚めたことの証しだと思う。
事業がスタートしてから、当社でも新たに廃パイプが集まりはじめている。これも、今までは燃やされたり、埋め立てられたりしてきたものだ。この好機を逃してはならない。
大切なのは、イン(回収)とアウト(需要)のバランスを取ることによって、再生管メーカーが経済的に成り立っていくことだ。基本的には、自然な流れに任せて、しかも利益が出ることが望ましい。我々は皆、「今は苦しいが将来必ず利益がでる」という希望を持ってこの事業に参加している。
協会が自治体と連携し、積極的に中間集積場等の整備をしてくれることを大いに期待している。
協会規格ができたことは歓迎する。リサイクルの現状をありのままに情報提供するPRも重要である。 |
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