第7回塩ビ世界会議(GVC ’98)から
世界17ヵ国の代表が塩ビの環境対策などで
議論、「世界塩ビ協会」設立へ検討開始
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第7回塩ビ世界会議が去る10月14日〜16日の3日間、米国の首都ワシントンで開催され、南北アメリカ、欧州、アジア、オーストラリアなど17ヵ国から参加した企業・業界団体の代表者73名が、塩ビ製品の環境対策と安全かつ持続的な需要の維持などをテーマに、活発な議論が行われました。 |
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日本は各種リサイクルに関する情報を提供
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会議には、日本からも塩ビ工業・環境協会(VEC)の田代圓副会長(東ソー且ミ長)ら8名が参加。田代副会長が日本を代表して挨拶を行ったほか、佐々木専務理事と鯉江海外部会長(東ソー)が塩ビ製品をめぐる日本の現状などを報告し、メカニカルリサイクルやケミカルリサイクルの推進に対応して、日本は自国の先進的な実験データや技術知見、体制整備の経験などに関する情報を積極的に提供していくことを表明しました。
会議での主な確認事項は下記のとおりです。 |
10年後の世界塩ビ需要「3割増」を予測
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また、下記の確認事項を達成するため、「より広範かつ速やかに情報を交換すべきこと」「世界的に研究開発を強化すべきこと」「社会とのコミュニケーションを改善すべきこと」が合意され、その手段として、塩ビ業界の国際的な連携強化を目的とした「世界塩ビ協会」(Global Vinyl Council)の設立が提案されました。「世界塩ビ協会」は、日米欧の塩ビ業界ばかりでなく、世界中の関連団体・企業との連携を図るもので、今後その設立へ向けた具体策が検討されることとなっています。
このほか、今回の会議では「10年後における世界の塩ビの需要は、現在の年間約2,700万トンから3,500万トン以上になる」とする世界的な需要予測もまとめられ、参加者は「今後も塩ビ製品の需要は、安定的に伸び続ける」との見解で一致しました。
なお、次回の塩ビ世界会議は、来年10月に欧州で開催される予定。 |
《第7回塩ビ世界会議における主な確認事項》
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- 使用済み塩ビ製品のメカニカルリサイクルや化学原料に戻すケミカルリサイクルを推進する。
- 塩ビのリサイクルや廃棄物の放出削減など環境関連プロジェクトの実行を通して、塩ビ業界の環境効率の改善及び持続可能な開発を行う。
- 塩ビ業界は塩ビに対する社会の懸念をもっと理解し、対応すべきこと。
- 塩ビ業界は社会に対して胸襟を開き、より透明性を高めること。
- 塩ビ製品は医療分野から建材分野まで幅広く利用され、生活を支え、人の命を守り、環境保護にも積極的な役割を果たしていることを広報し、社会の理解を得ること。
- 塩ビは世界で最もその安全性が試験されている物質であるが、さらにデータを蓄積すべく研究を継続すること。
- 種々の分野で使用されている塩ビ製品の添加剤の安全性について、さらに確認を進めること。
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