塩ビ管・継手のリサイクル、大きく前進
2000年までにリサイクル率70%達成、業界主導で資源循環システムの構築へ
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塩化ビニル管・継手協会(会長:三井康平クボタ社長)は、塩ビ工業・環境協会(VEC)の資金協力のもと当協会と連携し、この10月から塩ビ管・継手のリサイクル事業を拡充します。マテリアルリサイクル率を2000年までに70%に倍増するとともに、高炉原料化など新たなリサイクル手法を組み合わせて最終的には100%のリサイクル達成を目指すもので、塩ビ製品の最大用途である塩ビ管・継手のリサイクルは21世紀へ向けて大きく前進することとなりました。 |
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塩ビのリサイクル全体に弾み
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塩ビ管・継手は塩ビ製品全体の約30%強を占める最大の用途で、年間約50万トンが生産され、上下水道や農業用水等のパイプとして利用されています。塩ビ管は半永久的な寿命を持つため、一般の消費材と違って短期間で大量に使い捨てられることはありませんが、それでも一般家屋の建て替え時やビルの建築現場から出る廃材など年に1万5,000〜2万トン程度が廃棄されるものと推計されます。
このうち、約35%(5,000〜6,000トン)は現在でも再生パイプなどにマテリアルリサイクルされており、浦和市の大水産業(株)のように、その製品が浦和市、蕨市などの公共下水道に採用される動きも出てきていますが、残りの約65%は依然として埋立処分されているのが現状で、近年埋立処分場の不足が深刻化する中、廃棄物の発生を抑えるためのリサイクルシステムの構築が業界にとって最大の急務となっています。
新たにスタートするリサイクル事業は、こうした状況を受けて、塩ビ業界自らがリーダーシップを取って資源循環型社会の構築という社会的な要請に応えようというもので、最大用途である塩ビ管・継手のリサイクルに本腰が入ることは、塩ビのリサイクル全体に強力な弾みが加わることを意味します。 |
全国10カ所に拠点、まず関東・関西から
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決定したリサイクル事業の骨格は、塩ビ管・継手廃材の回収・再生加工業者との協力体制を構築し、既存のリサイクルシステムを活用して再生品の生産を行うもので、塩化ビニル管・継手協会内に環境リサイクル対策室(仮称)を設置した上、まず第1段階として、この10月から関東地区と関西地区でスタートし、以後、段階的に全国展開を図っていくこととなります。 |
リサイクル事業のポイント
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- 2000年までに現在のマテリアルリサイクル量を倍増し、70%のリサイクル率を目指す。
- マテリアルリサイクルに加え、高炉原料化やセメント原燃料化などによる新たなリサイクルを推進し、将来的には100%のリサイクルを目指す。
- リサイクル拠点として全国に約10カ所の施設を整備する。
- 当面の資金として5億円を予定する。
- 再生管の規格を作成し、普及を図る。
このうちマテリアルリサイクルについては、リサイクルパイプを中心に、各種の塩ビ再生品の原料としても普及を図る考え。また、塩化ビニル管・継手協会も再生原料の購入支援を行って、会員メーカーが三層管やエコパイプ等の原料に利用していきます。
リサイクル拠点については、全国に36カ所ある回収・再生業者の中から、既に決定している大水産業を含め関東地区に3カ所、関西2カ所、中部2カ所北海道、東北、中国、四国、九州にそれぞれ1カ所を指定する予定で、現在各地区の業者と話し合いが進められています。
5億円の資金は、リサイクル拠点となる回収・再生業者の設備増強を補充する一方、協力金などに充てられるもので、塩化ビニル管・継手協会とVECが資金を醵出することになっています。
最後の協会規格の作成は、再生管の需要を拡大する上で重要な対策であり、規格を定めることでユーザーの使用を促進するのが狙いです。規格の内容は現在進めている物性テストの結果などを見て、遅くとも年内をめどに早急に決定される見通し。
なお、以上の回収システムの構築、再生管の品質基準の策定と規格化、およびその利用促進等については、通産、建設、厚生、環境など関係省庁の支援を得ながら推進していくこととなっています。
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