1998年6月 No.25
 
 

★ 「すべてのごみがダイオキシンのもと。ごみ減量が肝心」
  浦野先生がNHK『ためしてガッテン』で解説

 
  NHKの生活情報番組『ためしてガッテン──挑戦!わが家のゴミ減量作戦』(5月27日放送)に、本号の<有識者に聞く>にご登場いただいた横浜国立大学の浦野紘平先生が出演し、ダイオキシンの生成と防止策、塩ビとダイオキシンの関係などについてコメント。「ダイオキシンを減らすには、まずごみの量全体を減らすことが肝心。また、塩素を含むごみは塩ビだけではなく、ちゃんとした装置で完全燃焼すれば、塩ビが入っていてもダイオキシンを防ぐことができる」と、分かりやすい解説にゲスト回答者たちも思わずガッテンといった様子でした。
● 浦野先生の解説《要旨》
  (ごみの焼却時に)ダイオキシンを作るのに必要な量の塩素はどこにでもある。いくら減らしても塩素はどこからでも入ってくるので、ダイオキシンを減らすには、塩素よりも、まずごみの量全体を減らすことが必要だ。
  ごみ全体に含まれる塩素量の2割弱が塩ビで、生ごみなど塩ビ以外のごみにも塩素は含まれている。どんなごみでも完全燃焼しなければダイオキシンのもとになるが、ちゃんとした装置で完全燃焼すれば、塩ビが入っていてもダイオキシンを防ぐことはできる。
  ただ、さまざまなごみが入っている都市ごみを完全燃焼させるのは大変難しい。日本は世界でいちばんごみを燃やしている国だから、まず、分別して燃やすごみの量を減らすことが大切だ。分別すれば、無理な焼却をして不完全燃焼させている小さな焼却施設でもダイオキシンをだいぶ減らすことができる。次に買い物袋を利用してレジ袋をもらわないなど、ごみになるものをできるだけ家に持ち込まないこと。そして、生ごみを堆肥にしたり使い捨て容器の商品を買わないなど、捨てる量を減らすこと。これがごみを減らすいちばんの方法だ。
 

★ 塩ビボトル再生「小鳥の巣箱」、各地のペンションから“巣づくり”のお便り

 
  当協議会が塩ビボトルを再生して作った小鳥の巣箱。今年1月からは全国のペンションにも設置されていますが、最近になって「小鳥が利用しはじめた」という便りが各地から寄せられています。
  山梨県清里でペンション『アルバム』を経営する宮井徹行さんからは、「大雪のために設置するのが遅れましたが、4月20日からシジュウカラが巣をかけはじめました。営巣用の材料をせっせとつがいで運んでいます」というお便りとともに、貴重な写真も。ペンション『きんだい』(群馬県草津町)の藤田孝さんのお便りでは、シジュウカラだけでなく「すずめ、小げら、赤げら」も利用しているとのこと。このほか、「2つ設置したうちの一方にシジュウカラが巣を作ってエサを運んでいる」(長野県諏訪郡ペンション『エバーグリーン』の田仲功さん)、「5月からシジュウカラが営巣した」(鳥取県西伯郡ペンション『ブーメラン』の小林耕二さん)など、うれしい知らせが続々届けられています。
  また、田仲さん、小林さんからは「巣箱の入口に止まり木があったほうがいい」というご意見もいただきました。なお、小鳥の巣箱はまだ残りがあります。ご希望の方は当協議会(TEL. 03-3501-2010、FAX. 03-3506-5487)までお申し込み下さい。