平成9年度事業計画の概要 特別対策事業(新規)として高炉原料化のための 脱塩化水素技術の共同開発など
前項でご紹介したとおり、当協議会は今年度から「塩化ビニル環境対策協議会」の名のもと、新たな組織により塩ビのリサイクル・環境問題の解決に向けた事業を展開していきます。平成9年度は、新規事業として特別対策事業を追加し、高炉原料化のための脱塩化水素技術の開発、ダイオキシン問題に関する調査・研究などにも取り組んでいく計画です。
1.特別対策事業(新規) 高濃度の塩ビ廃棄物を高炉原料としてリサイクルするするための脱塩素技術を、NKK、プラスチック処理促進協会と共同開発する。NKKの基礎技術をもとに年度内の技術確立をめざす。 産廃系塩ビ廃棄物のリサイクルおよびリサイクル技術開発のための調査・研究。 ダイオキシン問題に関する調査・研究。 2.マテリアルリサイクル事業 塩ビボトルについては産廃系ボトルの回収実験を継続する。また、使用済み卵パックについては千葉県の東金GPセンター(回収)、茨城県の清田商店(再生処理)の協力によりの回収実験を継続する。 塩ビボトルフレークの静電分離装置(PVC/PET)の分離性能改善、経済性の向上に関する技術的な検討を行う。 塩ビ管については、最近の産廃処理問題に対応するため、ドイツにおけるリサイクルシステムの実態調査を実施する。 その他、塩ビ製品の再生用途拡大のための調査、PR活動の実施。 3.調査・研究事業 平成8年度に取りまとめた「塩ビ産業の位置づけ調査結果」のPR・広報に取り組む。 塩ビ製品のプロダクト・ライフサイクル調査、高濃度塩ビ系廃棄物の処理技術(脱塩化水素技術)の研究、塩ビ系廃棄物の熱分解残渣を活性炭として有効利用するための製造プロセスの研究などを実施する。 塩ビ系廃棄物に関する各種情報・文献を収集、管理する。 4.広報事業 『PVCニュース』の発行(年4回)、一般消費者と塩ビユーザーを対象とした各種イベント、見学会、講演会の開催などにより、塩ビのイメージ改善のための情報を多面的に発信して、廃棄物問題をめぐる社会情勢の変化や流れに対応していく。 塩ビに関する問題指摘や批判に対して、塩ビ業界としての意見・態度を明確に伝えていく。同時に、正確な事実に基づく情報を提供して、塩ビに対する理解の向上に努める。