現在、公園内に設置されているテントホテルは計6室(球体型3室、据え置きドーム型3室。いずれも定員2人)。それぞれスタンダードタイプ(シングルベッド2台、6.8u)とデラックスタイプ(セミダブルベッド2台、11.3u)が用意されています。
「お客様にはとても好評です。泊まるというより新しい体験を求めて来られる方も多く、皆さん、球体テントだけでなく、公園で泊まるという非日常感をゆったり楽しんでいる」
メディアでも話題の球体テントホテル。浮遊感の中で天窓から見える森の景色を楽しむのもよし、地元の食材でバーベキューを楽しむのも、またよし。
(https://www.innthepark.jp/)
イレギュラーな注文にも果敢にチャレンジ。
国内唯一の球体テントメーカー・三鷹テントのモノづくり精神
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骨組みの連結部分 |
オープン・エーからの依頼で球体テントを制作した去O鷹テント(東京都三鷹市、菊地信和社長)は、1957年からテントやオーニングなどの制作・デザイン・施工に取り組んできた会社。「イレギュラーなデザインのテントでもオーダーメイドで臨機応変に対応する」というのが同社の方針で、球体テントの技術的ベースとなったジオデシックドーム(正三角形の構造材を並べて組み上げる多面体ドーム。正二十面体が基本で、面数を増やすほど球体に近づき安定性が高まる)も、東京の特注家具メーカーの注文に応じて制作した実績があり、後にこの製品は東日本大震災の時に仮設テントとして利用されています。
今回の球体テントは、そうした同社の活動を知ったオープン・エーからの制作依頼に応じて挑戦したもの。「以前に制作したのは、ジオデシックドームのフレーム構造で床に設置するドーム型のテント。球体テントは初めての挑戦でしたが、球体にすることで一番安定した構造となり、木からワイヤーで吊ることが可能になった」(菊地社長)
●これからも新しいことに挑戦
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球体テントの制作について説明する菊地社長 |
図面を起こし、必要枚数のテント生地をカットして、高周波ウェルダーで熱溶着する。これが球体テントの製造方法のあらまし。骨組みには亜鉛パイプが用いられています。現地で骨組みを組み立てて、その上にテント地を張って完成となりますが、デラックスタイプ(直径4.5メートル)だと、床の造作も含めておよそ600sの重量になり、「組立は3人掛かりで2日ぐらいかかる」とのこと。木に吊す作業は、木を傷めることのないよう、ツリー・ハウスの専門業者が行います。
菊地社長は「当社の主力はあくまでも従来のレギュラーテント。それを大切にしつつ、これからも新しいことに挑戦していきたい。今回のイン・ザ・パークの取組みを機に、ジオデシックドームが多くの人に認知されることを願っている」と、モノづくりへの意欲を語っています。