● 新鮮な驚き与えた「塩の博覧会」
去る8月18日〜23日の6日間、群馬県前橋市の西武デパートで、母と子供を対象にした塩のPRイベント「ソルトランドの楽しい博覧会」(JT北関東塩業センタ−主催)が開催されたことは、前号のこの頁でお知らせしました。当協議会も塩ビの基礎知識普及やリサイクル活動のPRを兼ねてイベントに出展しましたが、参加した子供たちにとっては、塩と塩ビの密接な関係は新鮮な驚きだった様子。イベントを企画した同センターの担当者は「塩は食用以外にも様々な分野で役立っていますが、塩ビはその最も重要な製品のひとつです。今回塩ビ業界に出展してもらったのも、そうした塩ビの役割を子供たちに知ってもらいたかったことと、リサイクルへの関心が高い現代の母親たちに塩ビがどのように再利用されているのかを見てもらいたかったためです」と説明していますが、その狙いは来場者の親子にも十分に伝わったと言えそうです。
ところで、日本国内で消費される塩の量は年間およそ901万トン(平成4年現在)。このうち、食用は185万トンに過ぎず、残りの8割(716万トン)は苛性ソーダや塩素などをつくるソーダ工業に使われる分です。その用途は、紙やさらし粉などの日用品から、光ファイバー、シリコンといった先端技術の分野まで幅広く、むろん塩ビもその中の大きな用途のひとつ。つまり、命の源である塩は同時に現代文明の源でもあり、その一翼を塩ビが担っているというわけです。
● 塩ビの塩でもリサイクルの試み
また、塩ビの原料のうち、石油については焼却時のエネルギー回収や油化技術などで有効利用されていますが、塩についても焼却施設から出る塩をソーダ工業に再利用するなどリサイクルの試みが進められています。こうしたことも含め、塩の有効利用にとって塩ビは“なくてはならない資材”となっているのです。