1993年12月 No.7
 
第4回「廃棄物学会研究発表会」開く

廃棄物問題の克服めざす250件の研究報告、当協議会も協賛展示

 

  去る10月13日〜15日にかけて、大阪市天王寺区の大阪国際交流センターにおいて、第4回「廃棄物学会研究発表会」が開催されました。

  この発表会は、廃棄物問題に対する社会的な関心の高まりを契機に平成2年からスタートしたもので、廃棄物処理に関する技術・行政両面の研究発表の場として、関係者から毎回高い注目が寄せられています。今回は「燃焼技術」「埋め立て」「屎尿処理」「微生物利用」など計17のセッションに分かれて発表が行われ、全体で約250件の研究成果が報告されましたが、参加者の数も、企業関係者や大学の研究者、自治体の廃棄物担当者らを中心に、3日間で過去最高の1200名に達するなど、廃棄物問題が現代社会の中でいよいよ大きなテーマとなっていることを裏づけました。

  発表を傍聴した当協議会の関係者によれば、今回は直接塩ビに関係する研究はなかったものの、焼却時におけるダイオキシンの低減対策やゴミ発電技術、焼却炉排ガス中の有害成分の除去技術などに関して、いくつか注目すべき報告が聞かれたとのこと。特に、焼却時のダイオキシン対策については、ダイオキシンが発生しやすい古いタイプの焼却炉の運転管理・発生低減技術に関して発表があいついだほか、低温でも活性のある脱硝触媒の開発に関する報告などがあり、「関係者の努力によりダイオキシン対策が着々と進みつつある印象を受けた」ということです。また、ゴミ発電についても、高温燃焼・高効率発電の研究が進んでおり、その実施例も報告されるなど、技術がより現実的なものとなりつつあることをうかがわせました。

  期間中はこのほかにも、研究者・行政担当者らによる「経済的手法による廃棄物対策」をテーマとしたシンポジウム、哲学者で国際日本文化所長の梅原猛氏による特別講演「森と湿地 −日本の風土」などが行われましたが、当協議会でも13〜14日の2日間、塩ビの基礎知識普及のための協賛展示を行い、パネル展示やリサイクル製品の紹介などにより塩ビへの理向上に努めました。