■ 文具メーカーの協力で再生塩ビのボールペン・シャープペンセットを試作
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小型減容機「ボトルボーイ」を使った塩ビボトルリサイクル実験の現状については前号(第2号)でもお伝えしまましたが、キンググープではこのほど、使用済みボトルから作られた再生塩ビを原料にボールペンとシャープペンの試作品を開発しました。
再生塩ビの試作品第1号となったボールペンとシャープペンは、2本でワンセットとなっており、ペン軸の部分に再生塩ビが使用されています。ペンの長さはいずれも11.5cmのミニサイズで、透明の地に黄色とピンクで彩色した親しみの持てるデザイン。これまで計5500セットが製造されており、その一部は「東京国際包装展」や「エコケム′92」、ボトルボーイ試運転見学会などの来場者に配布されました。受け取った方々の反応は概ね好評で、試作段階とはいえ塩ビボトルの再生品でも品質的に安定した製品ができることを確認できたことは、今回の大きな収穫と言えます。
また、企画・製作に当たっては、再生紙ノートなどリサイクル商品の開発に実績を持つ文具メーカー・極東ノート(株)(本社・大阪府吹田市、佐野俊雄社長)にご協力いただきましたが、同社商品企画課では「塩ビボトルリサイクルのニュースをうちの社員が新聞で見て、何か協力できることはないかと考えてこちらから協議会に働きかけた。性能的にもデザイン的にも全く見劣りのしないものができたと思う。商品化のためにはコストの問題などまだ課題が残されているが、プラスチックのリサイクルは文具メーカーにとっても重要なテーマだと考えているので、今後も塩ビ業界の試みにはできるだけ協力していきたい」と積極的な姿勢を見せています。 |
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■ 「ボトルボーイ」5台を増設、醤油メーカー等5社と共同試運転開始
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塩ビボトルリサイクルワーキンググループは、10月までに小型減容機「ボトルボーイ」5台を新たに購入し、現在、醤油メーカーなどとの協力で、その運転実験が進めてられています。実験にご協力いただいているのは、醤油メーカーのサンアスベルフーズ(大分市)、ニビシ醤油(福岡市)、イチビキ(名古屋市)、正田醤油(館林市)と、成型メーカーのエンゼル産業(福島市)の5社。同グループでは年内に更に5台の増設を予定しており、極東ノートとの協力で再生品の試作が行われたことと合わせて、塩ビボトルリサイクルの輪は順調な広がりを見せています。 |
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■ 向山光雄氏が第1回「リサイクル推進協議会会長賞」を受賞
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リサイクル運動の普及・啓蒙機関「リサイクル推進協議会」(会長=近藤次郎日本学術会議会長)は、去る10月23日、第1回目のリサイクル推進功労者表彰式を開催し、通産省等関係省庁の大臣賞、リサイクル推進協議会会長賞など計216件の表彰を行いました。この表彰式は、リサイクルの推進に広く貢献した個人・団体の功績を顕彰するため設けられたもので、塩化ビニル工業協会の推薦を受けた向山光雄氏(前塩化ビニル工業協会会長)にはリサイクル推進協議会会長賞が贈られました。塩ビ業界の関係者がこうした賞の対象となったことで、今後のリサイクル活動にも大いに弾みがつきそうです。 |
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