1992年9月 No.2
 
「塩ビボトルリサイクルに関するアンケート」結果

ボトルボーイ見学会の来場者対象に−リサイクルへの意欲的姿勢が鮮明

  塩ビボトルリサイクルワーキンググループは、去る6月〜7月にかけて開催したボトルボーイ実験設備見学会の来場者(成型メーカー、醤油・ソースメーカー、流通業者などの関係業界他)を対象に、「塩ビボトルのリサイクルに関するアンケート」を実施し、このほどその調査結果をとりまとめました。アンケートへの回答数は延べ200社に及んでいますが、今回は、この中から本号の記事と関連する「醤油・ソースメーカー」の調査結果(回答数28社)について、その概要をご紹介します。全体に、増え続けるプラスチック(塩ビ)廃棄物への問題意識の高さ、そして当協議会が進めるリサイクル活動への積極的な協力意向が鮮明に感じられる内容となっています。

■ 約70%がユーザーの「使用済みボトル処理ニーズ」の増加を予測

 
  まず、「ユーザーから使用済みプラスチック(容器等)の処理について要望されることがあるか」という問い対しては、現時点では「とても多い」という答えは見られないものの、69%の社が「今後増える」と予測しています。
 

■ 迫る自力処理の限界、67%が「手に負えなくなる」と回答

 
  しかも、その処理量が近い将来「手に負えなくなる」と予想している会社が67%に達しており、自力で処理できる限界が迫っていることに対して、かなりの危機感を抱いていることを示しています。
 

■ 現在の廃プラの処理法 −63%が「産廃業者を通じて」

 
 しかし、処理を必要とするプラスチック製品(容器等)の現在の処理方法については過半数(63%)が産廃業者を通じての処分、また32%が一般の焼却処分に頼っており、リサイクルには殆どつながっていないのが現状となっています。
 

■ 期待集めるボトルボーイ、7割が「使える」と評価

 
  こうした中で、新たに開発された減容機に対する食品業界の期待感は非常に強くなっており、「ボトルボーイは自社でのボトル処理に使えそうか」という質問に対して「大いに使える」「使える」と評価するメーカーが合わせて71%に達しています。
 

■ ボトルボーイでの処理実験にも積極的に協力の姿勢

 
  また、ボトルボーイによる処理実験についても、43%が自社内で「実験に協力してよい」と答えており、他の43%のメーカーも「社内で検討した上で」でと積極的な姿勢を示しています。
 

■ ボトル回収事業への協力意向は“条件付き”含め75%に

 
  最後に、当協議会の塩ビボトルの回収実験に対する協力意向をたずねました。「協力したい」という答えと、「自社の範囲内でなら」という条件付きの答えを合わせると75%に達し、リサイクルに対する醤油・ソース業界の積極的な姿勢がうかがわれます。
 

 

塩ビボトルリサイクルWGの活動状況報告

 
  塩ビボトルリサイクルワーキンググループの平成4年7月末現在までの活動状況報告がとまりました。その内容を簡単にご紹介してみましょう。


 

■ 再生品の試作に着手、「東京国際包装展」でモデル展示へ

 
  ◎ボトルボーイの実験設備見学会(大阪)を6月から計5回にわたって実施し、延べ169人の参加者を集めました。
  ◎この間に回収、再生された使用済みボトルの量は、計1,287kg(14,260本)に達し、うち285kgについては既に再生品の開発試験に着手しました。再生品の用途としては、ボールペン、シャープペン等への利用が現在検討されており、9月25日に開幕する「′92 東京国際包装展(東京パック)」(10頁参照)にもその試作品の一部を出展する予定です。

 

■ 再生塩ビの物性テスト実施、繰り返し5回使用もOK

 
  ◎また、「塩ビボトルを繰り返しリサイクルした場合、その材料物性がどの程度変化するか」などをテーマとしたリサイクルテストも行いました。実験は再生塩ビ100%の材料と、バージン塩ビと再生塩ビを6:4で混合した材料の2種類についてそれぞれ5回ずつ実施し落下強度や色調などを分析しましたが、この結果、
   1.再生塩ビ100%の場合繰返し5回使用しても物性の低下は殆ど認められない
   2.塩ビの特性から熱安定性、初期着色の低下は認められる
   3.バージン塩ビと再生塩ビを6:4で混合した場合は物性変化は認められない
 などのことが確認されました。