2011年9月 No.78
 

塩ビものづくりコンテスト2011 表彰式レポート

準大賞に女性2人(名倉さん・長谷川さん)。多くの収穫をもたらした業界初の試み

表彰式の模様
「新たに切り拓く、塩ビの可能性」をテーマに実施された「塩ビものづくりコンテスト2011」(主催=東日本プラスチック製品加工協同組合ほか5団体。別記)の入賞作品が決まり、去る7月6日の午後、東京千代田区の如水会館でその表彰式が開催されました。塩ビ関連団体が一丸で取り組んだ初のイノベーション・イベントは、これからの塩ビに活力を与える多くの成果を挙げて無事終了!

受賞者の方々

 

「塩ビものづくりコンテスト2011」主催団体
主催/ 東日本・中日本・西日本プラスチック製品加工協同組合、日本ビニール商業連合会、日本ビニル工業会、塩ビ工業・環境協会
協賛/ 九州ビニール製品工業会
後援/ 経済産業省
(社)日本インダストリアルデザイナー協会
準大賞の名倉さん(左)と長谷川さん

●力作ぞろいの中から27点が入賞

準大賞を受賞した名倉さんの「優雨」(左)と
長谷川さんの「サクラ」

 「塩ビものづくりコンテスト」は、軟質塩ビの優れた特徴(柔軟性、着色性、加工性、透明性など)を生かした独創的なデザインおよび製品を募集した業界初の試み。昨年10月から募集を開始した結果、学生、会社員、プロデザイナーなどから合計331件(デザイン部門173件、製品部門158件)もの応募が寄せられたほか、応募者の85%が30代以下の若者たちで占められるなど、塩ビ業界の今後に清新な刺激を与えるイベントとなりました。
 力作ぞろいの中から大竹美知子審査委員長(共立女子大家政学部建築デザイン学科教授)ら4名の審査委員が厳正に審査した結果、大賞は該当なしとなったものの、準大賞2、優秀賞3、特別賞5、入賞17の計27件の受賞作が決定。準大賞に選ばれたのは、鹿児島県種子島の主婦・名倉奈央子さんの作品「優雨」(やささめ)と、名古屋市の高校でファッション文化を学ぶ長谷川茉実さんの「サクラ」の2つで、伝統和紙の薄美濃紙に塩ビをラミネートした「優雨」は、和紙を通して入ってくる光が美しく日傘にも使用できる新しい雨傘。また、「サクラ」は塩ビシートの断面の光、曲線の美しさを追求したシンプルなオブジェで、ともに斬新な感覚で軟質塩ビの魅力を捉えた作品となっています。

●川上〜川下の塩ビ関係者が連携。過去に例のない取り組み

中原会長

 7月6日に行われた表彰式では、まず主催6団体を代表して実行委員長を務めたVECの中原会長が挨拶し、「今回のコンテストは2つの点でこれまでにないものとなった」として、次のように取り組みの成果を総括しました。
 「そのひとつは大竹審査委員長をはじめデザイナーとものづくり業界が密接なコラボレーションの中で企画運営したこと。もうひとつは、川上から川下に至る全国の塩ビ関係業界が一致協力して行なった過去に例を見ない取り組みであることだ。これまでは各業界同じ思いを持ちつつも、リソースや情報に限りがあり個々の活動には限界があったが、今回の催しで業界全体としての一体感が芽生え、改めて塩ビを見直す気運が高まった」
川上審議官 浅香理事長
 また、来賓の2氏(経済産業省製造産業局の川上景一大臣官房審議官、(社)日本インダストリアルデザイナー協会の浅香嵩理事長)も、「ものを作る側とそれを使ってデザインする側、川上と川下の業界が協力し合う端緒が開けたのは実に意義深い」(川上審議官)、「デザインは車のステアリング。その方向を定める上で産業界とのコラボレーションは重要で、このコンテストが今後何年も続いていくよう我々も協力していきたい」(浅香理事長)と、今回の意欲的な取り組みを称えました。

●記念パーティーで懇親のひととき

 表彰式では受賞者27人のうち、準大賞の2人と優秀賞、特別賞、入賞の代表7人に表彰状が贈られましたが(なお、受賞者全員の顔触れと作品の詳細については、塩ビ工業・環境協会のホームページ〈http://www.vec.gr.jp〉を参照)、準大賞の2人に中原実行委員長から賞状と副賞の20万円が手渡されると、会場から盛大な拍手が贈られました。なお、今回は「入選には至らなかったもののコンテストに積極的に参加、協力した11社に、日本ビニル工業会の岡本会長から感謝状が贈呈されました。
 表彰式の後には記念のパーティーが開かれ、東日本プラスチック製品加工協同組合の時田周明理事長の発声で乾杯した後、受賞者を囲んで懇親のひと時をすごしました。

パーティーの様子(上の写真は、開会の挨拶を述べた日本ビニール商業連合会の勝山会長(左)と、乾杯の杯を掲げる時田理事長)

 

受賞者の言葉から

『サクラ』は友だち2人と現代のテクノロジーをテーマに服のデザインを考えている中で生まれた。塩ビは特別な光を当てなくとも集光するのが魅力的で、歴史の古いプラスチックと聞いているが、私にとっては未来のフィーリング一杯の素材。次の作品のアイデアもあるので、また挑戦したい。〈長谷川さん〉
このコンテストの素晴らしいところは、プロトタイプ製作の段階でデザイナーとメーカーの技術部門がコラボできるところ。デザインだけだと独りよがりになりがちだが、両者の協力でさらに素晴らしいものになる。賞金は、間もなく子どもが産まれるので生活費に使います。〈名倉さん〉


大竹審査委員長の講評

 今回の応募作品はどれも素晴らしいものばかりで、大賞に該当する作品はなかったものの、これからの塩ビの道しるべになるようなものがたくさんあった。
 製品応募は塩ビという素材を知り尽くした興味深い提案が多く見られたし、作品(デザイン)応募は塩ビの幅広い表現力、素材としての可能性を実感させてくれるものが多かった。これからコンテストが繰り返されるたびに、新しいアイデア、使い方、表現が提案されるだろう。塩ビが身近な素材として生活の様々な場で我々の役に立ち、我々を楽しませてくれるものになってくれることを期待する。